9月27日(水) 曇り時々晴れ
早朝、ここは奥尻島沖か、あるいはもう青森県付近なのか、左舷に無人島らしきものが
見えている。
数時間しか寝ていないので、さすがに眠い。
昼時お酒を飲んで午睡、睡眠不足を補う。
船会社の経営的には問題だろうが、個人的にはこれくらい空いていてのんびり過ごせる
船内が好ましい。バイクは十数台程度、そろそろツーリングには厳しい季節がすぐ
そこまで迫っていて、ライダーたちが引き上げを始めている。
今回は三国峠を越えることさえできず、山と言えば、最後の最後に銀泉台の第一花園へ
行くのが関の山、一応山泊まりの用意もしていただけにお笑い種だ。しかし現状、
自分の体調や体力を考えると、自分が今できること、一番楽しいことを優先して
やらざるを得ない状況だ。きれいさっぱり山はあきらめるのか、それとも未練がましく
次回も装備だけは用意するのか、いっそ旅自体をやめてしまってもいいような気もする。
小学生の頃がピークだったマンガやアニメを再び見だしたり、中学時代にハマっていた
推理小説を今になって再読するなど、先祖返りというのか、過去のマイブームに親しむのは
浪費するエネルギーも少なく済んで楽でいいのだが、冒険心とか、チャレンジ精神とか、
そんな前向きな姿勢をすっかり忘れてしまっているようにも思う。今回の旅行でも、
手近な場所でナキウサギ観察に勤しむのは、私の現況からいうと、体力的な負担が少ない
遊びなのである意味理にかなってはいるのだが、果たしてこのまま朽ち果ててしまって
いいのだろうかと、繰り返し自問自答し続けた。今しかできないことを、まだもうしばらく
悪あがきしてもいいのではなかろうかと。
しかしいつものことだが、旅の終わりは高揚感マシマシで、すぐさま次の旅のことを
考え始めているのは毎度変わらないようだ。ある方はこの先10月末まで滞在し続けていて、
帰宅した別の方は、10月の三連休明けには舞い戻ってくるという。なんだか久しぶりに
刺激を受けたというか、熱気に当てられたようで、私も気持ちだけは昂っている。
「はまなす」は前回のことがあるからなあ…ちょっと案じていたのだが、あっさりと
舞鶴へ入港した。重ね重ね、前回のあのトラブルは何だったのだろうか?
下船時チラッと乗船待機場を見ると、バイクは数台のみだった。今夜こちらは真夏に
近い蒸し暑さだが、北では早や、ふたつくらい季節は前倒しで進んでいるのだ。