手塚治虫作品の「ばるぼら」が実子・手塚眞監督によって実写映画化されるということで、
文庫全集から引っ張り出し、このたび再読してみました。正直私としてはそれほど強く
印象の残る作品ではなかったんですよ、一度読んだ段階では。当時ビックコミック誌上で、
問題作「奇子(あやこ)」と力作「シュマリ」の間に挟まれる形で連載されたようで、
「気分休めに書きましたが(中略)手を抜いた小品というわけではありません」とのちに
手塚さんがあとがきで記されているのを見る限り、ご本人の評価は決して低いわけでは
なさそうです。
手塚さんはまたこの作品を「芸術のデカダニズムと狂気にはさまれた男の物語」とも述べ、
主人公の小説家は、ばるぼらと名乗る正体不明でアルコール依存症のフーテン娘に翻弄されます。
誰に感情移入しながら読み進めればいいのかわからないまま、結局今回も、もうひとつ
つかみどころがわからずじまいで読み終えることになりました。なぜ今このタイミングで
この作品が映像化されるのかも。
ばるぼら、紙上では裸でいる場面が多数なんだけど、映画でもそうなんだろうか?
大きなお世話だけど。
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