🌸大腸ポリープアウトライン
⛳大腸ポリープ概要
☆大腸の表面の粘膜がイボのように盛り上がってできた、球状のこぶ
☆腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープに分けられる
*腫瘍性ポリープは、腺腫とがんとに分類
*非腫瘍性ポリープは、過形成性・過誤腫性ポ・炎症性ポリープとに分類
☆腺腫と過形成性ポリープがよく見られる
*腺腫は良性でも大きくなると大腸がんになる可能性がある
☆大腸がんが発生する過程
*腺腫が悪性化するパターンと、最初からがんとして発生するパターンがある
⛳大腸ポリープの原因は、遺伝子の異常
☆大腸がんのリスクを高める要因
☆年齢(50歳以上)、家族歴、肉食傾向、食事や肥満、酒の飲み過ぎ、喫煙など
⛳大腸ポリープの症状
☆ポリープが小さい初期の段階では自覚症状がない
☆ポリープが大きくなったり肛門の近くに発生したりすると
*出血・血便や粘液の混じった便が出る症状が見られることがある
*腹痛や下痢、おなかの張り、便が出にくくなるなどの症状も現れる
⛳検査・診断
☆検査には、便潜血検査、大腸カメラ、注腸エックス線検査がある
☆便潜血検査は、便に血液が混じっているかどうかを調べる検査
*自覚症状のないポリープを見つけるのに役立つ
☆がんが疑われる場合は、採取した組織を顕微鏡で観察する生検を行う
⛳大腸ポリープの治療
☆肛門から内視鏡を入れてポリープを切り取る
☆ポリープの形や大きさなどによって内視鏡も異なる
☆ポリープに茎があるタイプ
*茎の部分にスネアという金属でつくられた輪をかけ
*電流を流して切除するポリペクトミーと呼ばれる治療が選択される
☆茎がなく粘膜に平らな状態で発生しているタイプ
*粘膜に薬剤を入れてポリープを持ち上げ
*スネアをかけて切り取る方法で行う
☆病変が大きくポリペクトミーなどでは難しい場合は
*薬剤でポリープのできている粘膜を持ち上げた上で周辺の組織を切開し
*専用の電気メスで病変を剥がすESDという治療を行う
☆ほとんどのケースでは、内視鏡での手術でポリープを切除できる
*進行の度合いや患者の既往歴などで、開腹手術となることもある
☆非腫瘍性の場合でも
*ポリープが大きくなった場合に内視鏡で切除する
⛳大腸ポリープの予防/治療後の注意
☆大腸ポリープができる根本の要因は遺伝子的なもの
*発生そのものを防ぐことは難しい
*但し、食生活の欧米化によって大腸ポリープも増えている
☆腫瘍性のポリープは、がん化する可能性が高いので、早期発見が重要
☆40歳を過ぎたら年に1回は大腸内視鏡検査を受けることが推奨されている
⛳出典、医療法人恵仁会 松島病院院長
🌸大腸にポリープがあると言われた
⛳大腸ポリープとは
☆将来大腸がんになる可能性のあるポリープと大腸がんにはならないポリープがある
*がんにならないポリープはそこにあるだけ
*出血などの症状を引き起こす場合には切除することもあるが
☆患者さんの健康を損なうことはないため、治療の必要はない
⛳大腸がんになる可能性のあるポリープ
☆腺腫とSSL (sessile serrated lesion)
*SSL(病理学的に鋸歯状構造を持つ病変)
☆腺腫は大腸内視鏡検査中に最も多く発見されるポリープで腫瘍
*腫瘍細胞は“勝手に”“過剰に”増え、腺腫は自分で”大きく”なる
*細胞自体が”悪く”なって、大腸がんとなる
☆治療を必要とするような大腸がんの大半この腺腫から発生する
*ポリープ状の腺腫は、症状を引き起こすことはない
*大腸内視鏡検査において、この腺腫を発見し切除することにより
*将来の大腸がんの発生や大腸がんによる死亡を大幅に減らせる
*大腸内視鏡検査で、腺腫を切除することは、患者さんのメリットになる
⛳切除する時期?
☆腺腫やSSLはゆっくりと大きくなり、大腸がんになる
*数mmの腺腫やSSLが数ヶ月で大腸がんになることは考えにくい
*いますぐに切除する必要がないのも事実
☆全ての腺腫やSSL
*患者さんの人生の中で健康を損ねるような大腸がんになるとは限らない
*患者さんの人生の中で大腸がんになる病変か、そうでないか
*見極めることは、現在の医療技術ではできない
*切除すると、患者さんの身体に傷を付けることになる
*出血や痛みといった悪いことを起こす可能性もある
☆小さな腺腫やSSLを切除することが患者さんのメリットかどうか
*患者さんの背景、大きさや個数などをふまえた総合的な判断が必要となる
☆腺腫やSSLと、それ以外のポリープを完全に見分けることは難しい
☆大腸がんになる可能性のあるポリープが疑われる場合
*担当医に相談するのが良い