武田じゅうめい 愛と誠と正義

色即是空とは、すべての存在は虚無であると知る。
旗印は日本愛、 日本人には日の丸が足りない

新宿バー<ロン>

2006年12月26日 | 人生の意味

25日クリスマスの新宿バー<ロン>
「日興証券は、社長と会長が辞任で、5億円の罰金で終りらしい」
「同じ粉飾決算でもホリエモンとは雲泥の差だね」
「同じヤクザでも紳士ヤクザと、チンピラヤクザの差がでたか」
「検察も内心はまずいと思っているだろう、公平でないし、公平らしさが見えないからね」
「そこは権力の勝手さだね」
銀さんがダイスを片手で転がしながら言う、古巣の山一證券はもうない。
「株屋殺すにゃ刃物はいらぬ、ダウが5日も下げりゃいい」ってか。

遅れてきた絵美が脇から口を出す。
「石原知事が息子とぼやいているんだって」
「息子が可愛いのは誰でもそうだが、公私混同が甚だしい、品が無いよね」
「パンツをかぶった猿かね」
「しかも女物の」と銀さん。
「やめてよ、そこへ話を持っていくのは、それこそ品が無いわよ」
絵美が抗議。

「今年、世界でジャーナリストが何人死んだか知ってる?」
「知らないな」
「55人で、その内6割がイラクで、32人が死んだって」
「じゅうめいさんも、書斎にばかりいないで、外に出たら?
 ブログでは格好いいことばかり言ってるじゃない」
「俺が行ってどうする、戦死でもしたら、多数の読者が悲しむだろう」
「そこまで言う?」

隣に座っている、記者クラブの島が、教えてくれた。
「今日発表になったけど、フランスを中心に欧州から外務省が輸入した高級ワインが8千本で、それを今ストックしているんだってさ」
「そんなのは、商社にまかせとけばいい話で、税金の無駄使いだね」
「今の外務省は、国会議員外遊(観光)のための現地旅行代理店が本業だからね」

今日はクリスマス、しかし新宿の街は冴えない。若い子は渋谷とか六本木へ行くのだろう。新宿の、しかもゴールデン街には来ない。柳の木が寂しげに風にそよいでいる。雪でも降れば、きりりと冷たい風が沁みこんでくる。
今日は皆でホテルのバーへ行くことになった。
高いところは猿とナントカが好きだからねェ、と誰かが軽口を叩いている。
新宿の西口に聳え立つ摩天楼のホテルとビル郡は、勝者と欲望の塔だ。
超高層のバーラウンジから、ジャズを聴きながらグレンフィデックを飲む、
52階から見下ろすと宝石箱のようなきらめく幻影が見えてくる。
クリスマスのイルミネーションか、あるいは眠らぬ大都会の孤独と哀愁だろうか。
 



コメント
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