前回問題となった二つの商店街の建物の密集による閉塞感の問題。建物を減らすのも一法でしたが、街コレの様に単独では寸詰まりでちゃちに見えても並べる事によってはじめて生き生きしてくる性質の建物が多い事、密度を落とす事で却って街らしさが薄れる事等が考えられて、今ひとつ踏み切れませんでした。
そこで考えたのが、二つの商店街の間に樹木を何本か植えて視覚的に分断させる事でした。勿論「森」になってしまっては大袈裟ですので、梢を通して向こうの町並みが見える程度に植え込み場所によっては地面に直接フォーリッジを並べる安直な方法で試してみました。
二つの町並みの間に適度に樹木が植わる事によって閉塞感がやわらげられてきました。
考えてみれば、実際の町並みでも建物や町並みを遮蔽する様に樹木や林がちらほら見えるというのは当たり前に見る風景です。又、樹木は建物に比べると形に定型性が無く見た目の形から大きさや距離を推定させにくい効果があると思われます。
これは私見ですが、レイアウトで樹木を配置するという事は視覚的な「うるおい」だけではなく、適度な遮蔽効果を与える事で無い筈の距離感を出したり、実際よりも町を広く見せる効果もあるのではないでしょうか。
今回の経験で都会風のレイアウトといえども、樹木をおろそかに出来ない事を痛感しました。