光山鉄道管理局・アーカイブス

鉄道模型・レイアウトについて工作・増備・思うことなどをば。
こちらはメインブログのアーカイブとなります。

不発の夏、不発の「鉄夏」

2022-09-10 05:19:05 | 日記
 お盆を過ぎてようやくこの辺りも朝夕は微妙に涼しさを感じる時候になりました。
 庭先では鈴虫の鳴き声も聞こえ始め、去りゆく夏を実感します。

 ですが今年の夏はわたしにとっては「不発」という言葉が似合う季節だったと思います。
 その原因は言うまでもなくコロナ禍。
 一昨年、昨年を軽く上回るペースで感染者が伸び、特に今月に入ってからは驚異的といっていい数の感染者が出ています。

 確かに重症化のリスクは従来に比べると低いのですが、市中感染率の高さは逆に「いつどこで感染してもおかしくない」状況を生み出しました。これは同時に「もし感染したら自分自身が他者に感染させるリスクを急増させている」という事でもあります。

 実際、今月以降わたしの周囲でも感染者が急増し文字通り「尻に火が付いたような状態」が続いています。
 つい昨年の今頃は「ひと夏通して一人か二人」だったのが、今年はいきなり戦場にでも投げ込まれたような状況といえます。
 (あくまで「私の周囲は」という括りではありますが)

 その結果、お盆の帰省は中止、自分の縄張り外、特に盛り場への外出を自粛せざるを得ない8月になりました。
 (思い返せば感染者数が谷の時期だった6、7月中に塩尻や静岡に行けたのはある意味正解だったと思えます)
 もちろんホビーライフにもこの影響が影を落としました。

 今月は行きつけの模型屋にも顔を出さず、鉄道模型関連の出費もなし。
 (通販を使うミニカーや近所のスーパーでも買えるガチャは別ですが)

 何より一番痛かったのは、今年こそは行こうと思っていたJAMに行けなかった事です。
 わたしにとって「鉄夏」を象徴する一大イベント、ただ観て帰って来るだけで非常な充実感を味わえる年に一度の機会をみすみす指をくわえて見送らなければならないのは正直きつかったです。

 結局この夏やった事といえば早朝深夜の自宅運転会でうっ憤を晴らすくらい。

 昨年、一昨年はホビーの中心だった積みキットの消化も流石に今年はネタが払底してしまい今年はこれと言ったものに手を付けていません。
 まさか3年連続でコロナ禍の自宅蟄居の夏が続くなんて思っていませんでしたから完全に当て外れです。

 おそらく外的要因によるものとしてはわたしのホビーライフへの影響度は東日本大震災の時以上だと思います。
 (あの頃は計画停電はあってもまだ模型屋くらいには行けましたから)

 そんな訳で今年の「鉄夏」はわたし的には完全に不発でした。
 せめてこの現状が今後少しでも改善してくれればと祈るばかりです。

 今回は思いつくままに書き殴っていたら全編が愚痴になりました。すみません。

鉄コレ31弾の西鉄7050

2022-09-08 05:17:26 | 車両・私鉄/民鉄
 今回は鉄コレ31弾の埋蔵金車両から。
 ものは西日本鉄道7050形です。

  九州にすら行った事の無いわたしにとっては(JR九州もですが)西鉄の車両自体には馴染みがありません。
ですがそれゆえに西鉄には未知の魅力の様なものを感じてもいます。

 西鉄の車両は割合最近までなかなか鉄道模型として製品化される事が少なかったジャンルです(一説では某怪獣映画で西鉄の車両がひっくり返る描写があったために長い事製品化の許可が降りなかったとか聞いたことがありますが、まさかそんな事もないでしょう)

 確か最初の製品化はマイクロエースだった様に思うのですが、2000系や5000系が出ていたと記憶しています。
 ブラインドパッケージの鉄コレでの西鉄車両は29弾で7000系がリリースされ、今回の7050が第二弾となります。
 それとは別に8000系や3000系もオープンパッケージで出ていますから、ある日突然西鉄の車両が急に増え出した様な印象すらありますね。

 7050形は2000年登場の4扉通勤車である7000系の3扉化仕様で2003年に登場しています。

 個人的にですが現行西鉄車のミントグリーン車体に赤帯という配色は他社にない個性を感じますし、近代的な車体と併せて魅力も感じます。
 2連での運用にももちろん対応できますが、聞くところでは7000系と併結して4連以上の長さにも対応する様ですから31弾の中では使い出のある編成かもしれません。

 ところで

 鉄コレの思わぬメリットのひとつとして「同じ私鉄の複数の編成が(間をおいて、ですが)リリースされる事が多い」というのがあると思います。第1弾の銚子電鉄からそうだったと思いますが、特に地方私鉄の場合、ひと編成だけぽつんとあってもあまり気を惹かないのに仕様違いであれ二つ以上の編成が並ぶと途端に鉄道らしさを感じさせる(と同時にその私鉄への関心が向き始める)事がよくあります。

 これなどは安価でブラインドパッケージが多かった初期の鉄コレならではの特徴ではなかったかと思います。

 大手私鉄とはいえ、これまで鉄コレでのリリースが少なかった西鉄でも同じパターンにはまった様な気がします(汗)

ふたつの101系を走らせる

2022-09-07 05:14:24 | 車輌・電車
 先日来紹介している「オレンジ色電車の自宅運転会」の番外編。
 実は前回の運転会の折にふと思いついたネタを走らせてみたものです。

 今回は101系のペアです。

 前にも書きましたがNゲージの101系自体は鉄コレとは別にKATOとGMのモデルが存在します。
 GMの101系(中央線緩急の黄色、総武線塗装)は数年前に入線させているのですが、個人的には3社の中で一番101系らしさを感じるモデルと思っています。

 今回、いい機会だったのでGMのと鉄コレの仕様と並べてみましたが、造形に関してはやはり鉄コレよりも朴訥な印象で改めて好感を持ちました。

 GMの101系の特徴として、前面窓の天地が他社よりも広く、その上他社のモデルがサッシをガラスと一体化させたクリーンなものなのに対しボディ側にサッシを造形しているのでかなりイモっぽいものがあります。

 ですが殊、101系ではこの造形はかなり好ましく感じるのです。

 おそらく、ですが実車準拠という点では鉄コレやKATOの方が正しいとは思うのですが、それに比べるとGMの方は「人間がフリーハンドで印象重視のディフォルメを加えてみました」という印象です。

 なので他社には細密度では負けるでしょうが、印象面でははるかにいいと感じさせます。

 因みに走行性は昔のGM動力なので鉄コレよりは洗練さに欠ける走りですが、これも案外101系らしいと感じさせてくれるところですね。

「オレンジ色の電車」の自宅運転会・その2

2022-09-06 05:05:22 | 車輌・電車
 前回に引き続いて中央線のオレンジ電車自宅運転会から。

 前掲の「中央線 オレンジ電車の今昔」の冒頭にこんなひと言があります。

 「中央線で上京すると東京の印象がよい」と語ってくれた人があった(中略)
東京の品の良い一面を絵巻の様に見せてくれるのところが中央線にはある(中略)総じて景物が明るく、洗練された文化の香りが漂っている。それが中央線の魅力と映るのだろう(上掲書4P「はじめに」から引用)


 これを読んでつい「あれっ?」と思ってしまったわたし。

 というのも、わたしにとっては新宿、中野、八王子の印象のせいか「アキバを凌ぐオタクの巣窟」というのが中央線沿線のイメージでしたから。
 そういえば吉祥寺だって「クラブの公開運転会」でしか行ったことがなかったですし。

 (最近読んだある漫画でもオタクの入った水道橋在住の主人公が「渋谷こわい、原宿こわい。中央線沿線以外行きたくない」なんてセリフを繰り出していたくらいですw)


 まあ、それは置いておいて。
 中央線でわたしが一番馴染みを感じるのは201系ですが、こちらも長期の運用の間に微妙な仕様違いを生じているので意外と一筋縄ではいきません。

 わたしが最初に入線させていたのはKATOの試作仕様の編成で、その後もKATO製の編成が追加されています。
ですが今回繰り出すのは10年ほど前にリリースされた鉄コレの編成で。

 こちらは試作編成と後のいわゆるH4編成の二つを並べました。やはり後から入線させたほうが走りがスムーズですから。
 こちらも同じ201系でありながら並べてみると差異がいろいろと感じられます。

 1番の違いは試作編成の2パンタ仕様ですが、実はこちらのモデルは鉄コレでは珍しい「ちゃんと昇降可能なオールプラ製パンタ」を装備しているのが特徴になっています。
 流石に別売りパーツのパンタに比べると大雑把な造形ですが、不満を感じるほどでもありません。
 (H4の方は後付けパーツのパンタを装備)

 横から見ると主に戸袋窓の形状の違いがふたつの編成を特徴づけます。
 加えてこれも後の仕様から追加された左右非対称のスカートとヘッドマークのサボがH4編成を精悍かつ都会的な印象を与えていると思います。

 前回と違い動力ユニットはほぼ同じものですから走行性の差はほとんどなし。まあ、いつもの鉄コレの走りですw

 そして今の中央線を印象付けているE233系
 こちらは最新のKATOの編成なのでヘッドライトも点灯します。
 初めてこれを外から見た時はどことなく野暮ったく感じた前面デザインですが見慣れてくるにつれて、これもまた独特の朴訥さがあると見直しています。

 実車の内装は流石に201系より洗練されていますし。

TEZMO SYNDOROMEと車両ケースのはなし

2022-09-04 05:08:52 | アクセサリー
 今月も更新が入ったWEBマンガの「TEZMO SYNDOROME」

 今回の題材は車両ケースのあるあるネタで、これまた琴線に引っかかる題材でした。

 今回のはなしは風奈と麻里の自室の整理をしているうちにいつしか鉄道模型の車両ケースの蘊蓄話になだれ込んでしまうというもの。
 不思議なもので大掃除とか整理の最中に限ってこの手の「気をそらせるネタ」が登場して整理が進まなくなるものですが、確かシャーロックホームズでもそういうネタがありましたから、この手の悩みは古今東西を問わない永遠の課題の様です(笑)


 わたしの上京時のホビーライフ(って言っていいのか?)のひとつに「ショップ巡りをして欲しいものが特になかった時は中古の車両ケースを買い込む」という習慣があります。
 現住地とか故郷の中古屋さんでブックケースがコンスタントに買えるなんて事はまずありません。
 で、良いのが目についたら2,3個は買って帰るのですが、中古ゆえに(特にKATOとマイクロは)「元の編成の標記もそのまま残っている」場合が殆どなので、風奈の様に帰宅後は適当にラベリングを施すのも習慣になっています。
 (まあ、新品でもホビセンの年末セールなんかでは、在庫調整とか商品名のミスプリなどで未使用ケースが格安で並ぶときもありますが)


 で、いつも不思議に思うのですがこれらのケースに入っていた元の車両は一体どうなってしまったのでしょうか?一部のショップならいわゆる「ケースばらし」で単品化してばら売りする事もあるのでしょうが、それにしてもトータルで見るなら結構な数のケースが余っているように見えるのですが。

 この事実ひとつ取って見ても「都会の中古ショップの品揃えの良さ」が実感されるところです。

 本編でも軽く触れられていますが、鉄コレの様に恒常的に出し入れするのが面倒くさい紙箱のモデルが増えていますし、甲府モデルなどのペーパーキット系を収納するとなるとこの種のブックケース以外の最適解が見付からないのも確かです。

 そのブックケースもブランドの普及率を反映してKATO、TOMIX、マイクロエースの3社の物が大半を占めます。
 (GMとかCascoなどのケースにもたまにお目に掛かりますが)
 これらを押し入れなどの限られたスペースに押し込むのですが、3社の間で微妙に材質やサイズが違うので混ぜて並べるのが難しいのが難です。

 本来ならば、ジャンルとか使用頻度に応じて並べるのが正道なのですが、そうなると基本同一形状のケースで纏める方が断然有利という事になります。
 がそれをやろうとすると「TOMIXのケースにKATOの車両を詰め込む(逆もあり)」事が往々にしてありまして、そうするとケースのイメージで中身のメーカーを判断する時に混乱を招くことがあります。
 (今でも時たまそういう事が汗)

 あともうひとつ、単品で揃えたモデルを編成単位でブックケースに移し替えると当然「元の1両用ケースが余ってしまう」のも悩みの種です。
 特にKATOやTOMIXの奴なんかは結構丈夫な上に、それなりにちゃんとした形状をしているので、わたしの場合なんかはゴミとして捨てるのに心理的な抵抗が強いのです。

 それでも無理やりにNゲージのミニカーや人形の収納・分類ケースとして使ってみたりもするのですが(汗)

 あとはサイズ的に昔の缶ペンケースに似ている(特にTOMIXはそうです)ので筆箱として使う事もありますが、いずれにしても増え続ける単体の空きケースに対して焼け石に水なのも確かです。

9月2日なのでED92のはなし

2022-09-02 05:44:03 | 車両・電気機関車
 例によって日付の語呂合わせネタから。
 今日が9月2日ですから題材は「ED92」となります(笑)

 ED92の前身は常磐線に投入されたED46。
 日本初の交直流電機というだけでなく変圧器の搭載に伴う重量増に対応するため1台車にひとつのモーターを組み込む方式を取り入れ(普通は1台車にふたつ)電気暖房までもが交直流に対応しているという盛りだくさんな内容の機関車でもあります。


 モデルとしてはNゲージではマイクロエースからED46と共にED92もリリースされていますが、実車が1形式1両だったので実車では実現不可能だった「ED46とED92の並びが実現できる」のがメリットと言えるでしょうか(爆笑)

 スカート周りの表現が独特と言いますか、車体よりもスカートが心持ち引っ込んでいる様に見えますがこれは実車も同じ仕様。何となく上にしゃくれあがっているように見える独特のスカート表現も他の形式では見られないものです。

 当鉄道に入線しているED92は10年以上前に中古を入手していたものですが、わたしの行きつけのショップではつい最近までED46が新品として並んでいました。が、パッケージのプラが経年で変色しまるで「ショーウィンドーのヌシ」みたいになっていたのがなんともです。
 この記事を上げるために久しぶりに線路に載せましたが、流石に走りはヨイヨイのレベル。
 とはいえ造形はなかなかしっかりしておりマイクロの機関車の中では傑作の部類ではないかと思います。

「新版 鉄道小事典」

2022-09-01 05:04:04 | 書籍
 先日の塩尻ゆきで入手した一冊から
 誠文堂新光社の「新版 鉄道小事典」をば。
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 本書の存在を知ったのは子供の頃に読んでいた「工作ガイドブック」の書籍コーナーからです。
 当時、誠文堂新光社は鉄道関連の資料本が結構あったのですが田舎の書店で見かけない物も多く、その大半が未知の存在でした。

 中でも「鉄道小事典」はタイトルの通り総合的な鉄道の知識を仕入れるには好適そうに思えたのですが、上記の事情に加え1冊2800円というお値段もあって仮に見つけたとしても手が出せない可能性の最も高い本という印象だったのです。

 今回は出先の古本屋で500円の出物を見つけたものです。店頭で手に取った本書は下手な国語辞典並みの厚みと重さ。これは相当にアカデミックな一冊なのではないかといい歳したわたしも一瞬恐れをなしそうなオーラを放っていました(笑)

 帰宅後早速斜め読みしてみましたが、確かにアカデミックな雰囲気はあるのですが、文章はよくこなれており中学生位からなら読むのに不自由しない感じでした。
 それでいて厚み相応に情報量は多く、図表や挿絵に至るまで注釈やキャプションが多いので20ページも熟読するとよく寝られそうですw

 本書はタイトルにわざわざ「新版」と名乗っていますが初版は1966年。これを1974年に全面改訂したものだそうです。とはいえ、情報や知識も1974年現在のものですから、今となっては古臭いところや国鉄時代の常識がそのまま罷り通っているところも散見されます。
 ですが基本的な部分は今と変わっていないので、鉄道の基礎知識を身につけるには今でも公的な一冊ではないでしょうか。

 私も当分は寝る前の寝酒がわりに通読してみようかと(何晩かかるかな?)