太宰府市教委は5日、政庁から南に延びる「朱雀大路」の東側(同市朱雀3の西鉄二日市操車場跡地)で、新羅で作られたとみられる佐波理(さはり)製の匙(さじ)と容器の破片が出土したと発表した。南東約90mの地点では大規模な建物跡も出土しており、市教委は重要な区域だったことを示す新たな手がかりになるとみて分析を進めている。
佐波理は銅と錫の合金で、7~8世紀に朝鮮半島で作られた食器などに使われた。出土した匙は全長7・6cmで、匙面や柄は大半が欠けていた。本来は全長24~26cmとみられる。奈良の正倉院所蔵の匙と似ていることなどから、8世紀に新羅から伝わり、使われていたとみられる。
容器破片は鋺などの食器の底部分とみられ、長さ4・9cm、幅2・6cm。厚さは0・35~0・43mmしかなく、轆轤(ろくろ)を使った跡も確認された。県内で佐波理製の匙が見つかったのは、福岡市南区の三宅廃寺跡に次いで2例目という。
佐波理製の食器は当時、高級品とされていたことから、都から派遣された役人が使っていた可能性もあり、建物跡が役所などの公的施設だったことを示す重要な手がかりになるとしている。
現地説明会が7日午後1時半から開かれる。14~23日には市文化ふれあい館で出土品を展示する。
[参考:読売新聞、西日本新聞]
過去の関連ニュース
2009.2.19 大宰府条坊から、大きな建物跡2棟が出土
2008.10.9 大宰府市都府楼南5丁目条坊跡 古代道 馬と人の通行区分跡か
佐波理は銅と錫の合金で、7~8世紀に朝鮮半島で作られた食器などに使われた。出土した匙は全長7・6cmで、匙面や柄は大半が欠けていた。本来は全長24~26cmとみられる。奈良の正倉院所蔵の匙と似ていることなどから、8世紀に新羅から伝わり、使われていたとみられる。
容器破片は鋺などの食器の底部分とみられ、長さ4・9cm、幅2・6cm。厚さは0・35~0・43mmしかなく、轆轤(ろくろ)を使った跡も確認された。県内で佐波理製の匙が見つかったのは、福岡市南区の三宅廃寺跡に次いで2例目という。
佐波理製の食器は当時、高級品とされていたことから、都から派遣された役人が使っていた可能性もあり、建物跡が役所などの公的施設だったことを示す重要な手がかりになるとしている。
現地説明会が7日午後1時半から開かれる。14~23日には市文化ふれあい館で出土品を展示する。
[参考:読売新聞、西日本新聞]
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