兵庫県立考古博物館が18日、西脇市津万の「津万遺跡」で平安時代末期から鎌倉時代の墓の中から、鏡や毛抜きなどの化粧道具一式と烏帽子が見つかったと発表した。化粧道具は県内では2例目、烏帽子は3例目。
化粧道具がそろって見つかるのは稀で、当時の風俗を探る上で貴重な史料となりそうだ。
周辺は平家一門が所有した荘園だったとされており、同博物館は管理を任された在地領主の女性の墓の可能性があるとしている。当時、女性の地位は高く在地領主も珍しくなかったという。
化粧道具は棺には入れずに、縦166cm、横110cm、深さ20cmの土壙墓の隅で見つかった。骨はなかった。
鉄製の鋏(はさみ)は長さ17cm、鉄製の毛抜きは長さ8・5cm、中国製の銅鏡は9cm四方の正方形だった。直径6cmの土師器小壺や青白磁の「合子」(直径5・7cm)もあった。
壺には紅やおしろいを入れ、合子は紅などを使う際のパレットのような役割を果たしたらしい。同博物館は葬られた女性が生前に使用したとみており「対外的な儀礼で人前に出るときに化粧をしていたのでは」と推測している。
烏帽子は13世紀ごろの木棺墓で、残存する棺の底板(縦144cm、横40cm、深さ30cm)の上に幅25cmの漆製品として確認された。人の歯の一部も残されていた。墓の隣に同じ時代の建物跡があることから、霊的支配を強めるためにこの土地の開発者か血縁者の成人男性が葬られたことが推測できる。
23日午前10時から、現地説明会が開かれる。
[参考:共同通信、神戸新聞]
化粧道具がそろって見つかるのは稀で、当時の風俗を探る上で貴重な史料となりそうだ。
周辺は平家一門が所有した荘園だったとされており、同博物館は管理を任された在地領主の女性の墓の可能性があるとしている。当時、女性の地位は高く在地領主も珍しくなかったという。
化粧道具は棺には入れずに、縦166cm、横110cm、深さ20cmの土壙墓の隅で見つかった。骨はなかった。
鉄製の鋏(はさみ)は長さ17cm、鉄製の毛抜きは長さ8・5cm、中国製の銅鏡は9cm四方の正方形だった。直径6cmの土師器小壺や青白磁の「合子」(直径5・7cm)もあった。
壺には紅やおしろいを入れ、合子は紅などを使う際のパレットのような役割を果たしたらしい。同博物館は葬られた女性が生前に使用したとみており「対外的な儀礼で人前に出るときに化粧をしていたのでは」と推測している。
烏帽子は13世紀ごろの木棺墓で、残存する棺の底板(縦144cm、横40cm、深さ30cm)の上に幅25cmの漆製品として確認された。人の歯の一部も残されていた。墓の隣に同じ時代の建物跡があることから、霊的支配を強めるためにこの土地の開発者か血縁者の成人男性が葬られたことが推測できる。
23日午前10時から、現地説明会が開かれる。
[参考:共同通信、神戸新聞]