歴歩

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藤原宮跡出土木簡 和同開珎の銀銭の使用を示す墨書を発見

2012年02月13日 | Weblog
 奈良文化財研究所の調査で、橿原市にある藤原宮(694-710)の遺構から出土した木簡に、和同開珎の銀銭の使用を示す墨書があることがわかった。
 木簡(長さ9.4cm、幅0.9cm)は割れて左半分はなく下部も欠けた状態で、1980年、藤原宮の東側を区画する大垣の外濠跡で見つかった。 最近の研究で、「銀銭□文付□」(□は判読不能)と確認された。 一緒に見つかった別の木簡の年号と、藤原宮があった当時、銀銭は無文銀銭と和同開珎銀銭が存在し、無文銀銭は「枚」で、和同開珎は「文」で数えたことから和同開珎の記述と判断したという。
 銀銭は708年に発行されたが、翌年には製造を止め、その翌年には使用が禁止された(注)。 銀銭は銅銭と比べて流通の実態がわからなかった。使用を初めて裏付ける資料としている。

(注) 『続日本紀』
 和銅元年(708)五月壬寅十一日条 「始行銀銭。」
 和銅元年(708)八月己巳十日条 「始行銅銭。」
 和銅二年(709)八月乙酉二日条 「廢銀錢。行銅錢。」
 和銅三年(710)九月乙丑十八日条 「禁天下銀錢。」
[参考:読売新聞、NHKニュース]

和同開珎の使用示す木簡出土、流通裏付ける発見(読売新聞) - goo ニュース

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