おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

総会無し を 整理・区別 する

2020-03-02 | ◆ マンション管理業務  《 全般 》



                               

 

誤解が多いです

新型コロナウイルスの感染のことがあり 総会を開催しない決議方法のこと

の マンション役員さんからの相談がありますが 理解していることに

間違いが多いです

 

普通決議または特別決議で事を決める必要はありますが 集会(総会)の開催

無しでもそれを可とするには あらかじめ 全員の承諾 を得る必要がある

ということ と

それとは別のこととして

決議すべき事項の全員一致の合意が得られれば

書面又は電磁的方法による 決議



あったものとみなす 

ということ の整理・区別が アイマイ



条文にでてくる[承諾]は 決議内容の承諾ではなく 総会開催無しで決議することに

ついての 承諾

条文にでてくる[合意]の対象は 決議すべき事項 のこと 

この違いをシッカリ区別して理解しなければ 組合員さんに説明ができません

 

繰り返しになりましょうが

書面決議」によって決議すること〔総会を開催しないで決めること〕自体についての 全員一致

ということであって 決議をする段階においては 議決権の過半数などの決議要件を充たすなら

全員一致 でなくとも決議は 成立

 

全員合意書面」では 内容について 全員の合意 が必要 

 

 

 

(書面又は電磁的方法による決議)            《区分所有法》
 
第四十五条 この法律又は規約により集会において決議をすべき場合 において、
区分所有者全員の承諾があるときは、書面又は電磁的方法による決議をする
ことができる

2 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項 については、
区分所有者全員の書面又は電磁的方法による合意があつたときは、書面又は電磁的
方法による決議があつたものとみなす

3 この法律又は規約により集会において決議すべきものとされた事項 についての
書面又は電磁的方法による決議は、集会 の決議と同一の効力を有する。
                                             <省略あり>
 
〔この法律条文の内容を確認するかたちで 標準管理規約(50条・単棟式)にも 同様の
 ことが 示されています〕

 
 
ということで 
『 総会を開かないで決めるには とにかく 全員一致 』
という説明は 誤解を生む心配があります

 
全員の承諾があるときの 特別の方法(いわゆる持回り決議)での決議】
【決議される事項(内容)について全員の合意がある】
との
違いを 整理・区別してください



普通決議または特別決議で事を決める必要はありますが 集会(総会)の開催

無しでもそれを可とするには あらかじめ 全員の承諾 を得る必要がある

ということ は 法文でいうと 45条 1項 のこと 

なので 
総会を開催しないことの全員一致 
と 
決めるべき内容についての全員一致 〔同 2項〕 

とは 別のこと です



 
 
理事会についても 開催無しで ということが考えられますが 標準管理規約では
 
(理事会の会議及び議事)      <省略あり>

第53条 理事会の会議は、理事の半数以上が出席しなければ開くことがで
きず、その議事は出席理事の過半数で決する。

2 次条第1項第五号に掲げる事項については、理事の過半数の承諾がある
ときは、書面又は電磁的方法による決議によることができる。
 
 ということで 専有部分の修繕等の工事の承認・不承認 のときなどの 開催無し例外 
があります
 
[  実際の議論と議決のための理事会 
 なので 出席できない理事が あらかじめ通知された事項に
  ついて書面で表決可とするには規約明文規定が必要でしょう
  テレビ会議等で参加・議決権行使を規約で定めることも考え
 られるでしょうか ? ← 〔記述を変更しています スミマセン〕
 (一堂に会する現実の理事会開催を前提にしてのことですが) ]

 
 
以上 総会が多くなる時期をひかえ 相談で気になっているところの おおよそを
とりあえず 記しました
〔電磁的方法の利用 の場合のことは 技術的なことは別として その利用可能
  ではない場合 と 基本的な理解は同様ですので シンプルな記載としています〕
 
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