おてんとうさんのつぶやき & 月の光の思案 + 入道雲の笑み

〔特定〕行政書士/知的財産管理技能士/国家試験塾講師等が生業の巷の一介の素浪人の日常

一義的な解釈が欲しい けれど・・

2020-06-20 | マンション〔責 任〕

 

 

[ 生涯学習者の一人として 自身も気になるところであり

  そうして 折々 質問があったりするが多いところ に関してですが・・・]

 

 

管理に関しての経費の徴収は 権利能力のない社団(マンション管理組合の一般的な形)であると

管理組合自体が請求の当事者であるとされましょう が・・・

 

規約を守らない住人に対して 『 キチンと ルールを確認して迷惑をかけないようにしてください 』

と言えたり

不法なことで損害を及ぼされた場合(不法行為の責任追及) とか 正当な理由も無いのに利得

している住人にそれの返還を要求する(不当利得の返還請求)とか 為し得るのは

管理組合 なのか それとも 区分所有者である各住民が持分に基づいて 為すことなのか ?

 

極くシンプルに 論点を示してしまうと 管理運営上サマザマな場面で 権利と義務が生じる場合

<管理組合自体が 権利・義務を持つのか ? > <個々の区分所有者が 持つのか ?>

という問題です

 

そのあたりのことに手当てをする必要があって平成14年改正で管理者の権限を明文化したり

して 一定の立法的な手当て( 区分所有26Ⅱ ・ 区分所有47Ⅵ )がされたのでしたが・・・

その後も それに沿わない判例などがだされたりしています( 東京地判平成22・6・8 )

 

 

 

管理者(理事長)の為した管理運営上の取引についての責任についても 同様の論点が

あります

その場合 次のような説明がなされたりします

《 管理者が職務権限内で工事業者と契約をした場合 区分所有者全員が持分の割合に

 応じて責任を負担する( 区分所有29⇒区分所有者の責任等  区分所有26⇒ 権限(代理)など)

 のであって 
管理組合が負担するのではない

 管理組合(区分所有者の団体)というのは 区分所有者に多数決によって一定の義務を

 負わせる〔集会の決議によって拘束する〕ための団体 というものなのだから 》

が・・・ ?

 

実務の上では 管理費などの名目で 管理組合という団体の財産であるというものが有る場合

は それが支払(弁済)に充てられる ということで 不足のときには組合員の責任となりましょうが

 

 

ということで 

管理運営上サマザマな場面で 権利と義務が生じる場合

<管理組合自体が 権利・義務を持つのか ? > <個々の区分所有者が 持つのか ?>

ということに関して

学者さんの間においても 一義的な理解はなされていないように考えられます

判例も ドッシリ とはしていないように思われます

 

要するに 

管理組合 という団体自身を法的に権利義務主体として捉えきるか

専有部の持ち主という所有権者集団の各人が獲得している共用部共有者持分という立場を基点

として検討をスタートさせるか

というあたりの差異のように思えますが・・・

 

 

力不足で ハッキリ ズバッと言えずに すまないことですが・・・

数冊の基本書類を漁っても ナカナカ まとまりきれないところだと 自身には思われます

それぞれの理論を自分なりに理解しておくということで 一応の目途をつけておくことが肝要だと思います

(要するに 一義的な整合性追究は そうとうシンドイという感を覚えるのでは? ということ なので・・・

いわば マンション法における 当事者論の独特特殊性みたいなところ 団体論と共有持分者尊重論との

棲み分けと整合性追究のようなもの ? なので)

 

ただ このあたりを それなりに 読みきることは とても 大事な学習であり 将来 関連する実務上の質問に

答えるためにも 重要なことでもあるということは 間違いないと思います

 

                                                                  はたけやまとくお事 務 所