「弱くても勝てます 開成高校野球部のセオリー」
高橋秀実著 新潮社 1300円+税
日本一の進学校である開成高校野球部が、数年前に夏の甲子園を目指す東東京大会でベスト16入りしたとのこと・・・。
結構驚きです。
週1回3時間しか練習しない開成高校の野球部。なのにどうして?
同著は、小説新潮で2011年連載されていたものをまとめた一冊。
本書にアタマのよさそうなクールな開成高生がたくさん登場します。
「打つのは球じゃない。物体なんだよ。」
「一番いいのは15-0とかですね。」
「ギャンブルをしかけなければ、勝つ確率は0%なんです。」
同野球部の監督のコメントは、理屈の通った目からうろこの奇説。
都立高校の野球部には勝てるだろうなあ、という感想を持ちました。
打つ確率の高い順番が、打順、いきなり大量得点をとって相手の戦意を喪失させる、バントはしない、ノーサイン・・・どこまでも一般的な野球セオリーを無視しています。
監督の指導を受けながら野球部員もそれぞれの努力を積み重ねているようです。
目次
一回 エラーの伝説
二回 理屈で守る
三回 みんな何かを持っている
四回 結果としての甲子園
五回 仮説の検証のフィードバック
六回 必要十分なプライド
七回 ドサクサコミュニケーション
八回 「は」ではなく「が」の勝負
九回 ややもすると甲子園
さすがに甲子園は難しいとは思うのですが、
同書によると、東大が六大学で優勝するより、開成が甲子園に出場する確率の方が高いとのこと・・・笑。
地区大会でベスト8に入って、21世紀枠なら可能性もあるような気はかるのですが・・・。
硬式野球をやる高校球児と監督・スタッフには、ぜひとも一読いただきたい一冊です。