最近、「インプロ」という言葉に接する機会が多かったのですが、先日の忘年会でインプロを体験することが出来ました。
アルコールが少し入っていたものの「ナニナニを演じてみて」「コンナの状況で、言葉なしで相手に、その気持ちを伝えてみて」などなど、かなり恥ずかしい雰囲気でした。
インプロとは、インプロヴァイゼーションの略。
即興やアドリブといったニュアンスに近いと思います。
もともとは、音楽、演劇、舞踏などの世界で用いられた言葉のようです。
形式や決まりという制約よりも、演奏時、演武時の感覚や知覚を優先して、自分自身を表現していく・・・ということのようです。
最近では、企業内教育や学校教育にも活用されているということで、今までなかった言葉だけに、その目新しさに惹かれるのかもしれません。
確かに、インプロをちゃんと体験し、ある程度の表現ができるようになれば、自己表現の多様性、創造力の開発、自身の枠組みの拡大などにつながる可能性があると思います。
ただ、「男は黙ってサッポロビール」で育ったオジサン世代で、このインプロはかなり恥ずかしい世界だと思うのです。
日本人ばかりの英会話教室で英語を話すような「こっぱずかしさ」が、そこにはあります。
それを打破するためには、「日本人の恥」を忘れ、自分自身の「我(ガ)」を出すことが求められます。
楽器も弾けない、
英語もしゃべれない、
芸術も分からない、
女性にも気の利いた言葉をかけられないニッポンのオジサン・・・。
その能力開発にインプロは効くかもしれません。
また、今の日本の社会では、暗黙の了解、社会の掟、阿吽の呼吸、あらかじめ決まっている大前提、フレームワークの中での活動といった「制約」が多々あります。
日本の常識は世界の非常識と言われる所以です。
それらをとりあえず無視して、しかも自分の身体を使って表現すること・・・。
職場の同僚や家族からは、相当程度のヒンシュクを買うとは思うのですが、殻を破るための第一歩にはなると思います。
ダンス甲子園やストリートダンスで若きパワーを自己表現できる中高生には、ホントーに脱帽です。
ダンスやロックというだけで不良のレッテルを張られたオジサンオバサン世代、演劇というだけでマイナーでアンダーグラウンドな後ろめたさが漂う日本の状勢・・・そうした閉塞感を打破できるのは、若き世代だと思います。
いつか、職場でのオーバーアクションと呼べるぐらいのパーフォマンスを演じることが出来る、歌って踊れるビジネスパースンになれたらと考えています(笑)。