能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

経営はデザインそのものである 博報堂コンサルティングからのメッセージ シナリオ化・可視化・体系化

2014年08月04日 | 本と雑誌

「経営はデザインそのものである」

博報堂コンサルティング+ハクホウドウデザイン

ダイヤモンド社刊 1800円+税

 

タイトルにある「デザイン」。

美術、芸術や広告デザインだけではなく、何かを「計画」「全体最適」「配置」するといった意味合いがあると思います。

全面的に同感です。


経営コンサルタントのトム・ピーターズの世界も、まさにデザイン。

経営とは、MBA的なロジカル、定量、理論、客観の世界だけでは決してなく、人間主体の主観の世界でもあると思います。

ハードだけではなくソフトも大事な世界なのです。


同書は、博報堂コンサルティングを中心とした執筆陣で書かれています。

何度もメールや会議でやり取りをされ、プロジェクトをまとめるためにされた努力が見えます。

なかなか素晴らしいプロジェクトだと思います。


目次

序章 デザインと経営が結びつく時代

第1章 製品・サービスを超える競争優位性

第2章 3つの視点から見る先進企業の特徴

第3章 経営はデザインそのものである

第4章 プロジェクトドキュメント① UMEの知恵を暮らしに 紀州梅効能研究会のケース研究

第5章 プロジェクトドキュメント② 美の歓びと暮らす 深川製磁のケース研究

第6章 プロジェクトドキュメント③ やすらぎのある世界都心 東京都港区のケース研究

第7章 デザインを経営に取り入れるための6つのステップ

 対談 良品計画 金井社長

 対談 スマイルズ 遠山社長


中でも面白かったのが港区のケース。

特別区のプロモーションを代理店的な発想でまとめると、こうなるんだというスコープが見えてきました。

「課題は既存のビジョンにアクションをつなげること」と称し、

「やすらぎのある世界都心・MINATO」の解説が入るところなどは読みごたえあるセッションです。

 

 やすらぎのある世界都心・MINATO

・かがやくまち・・・街づくり・環境

・にぎわうまち・・・コミュニティ・産業

・はぐくむまち・・・福祉・保健・教育

 

直接関係ありませんが、「クールビズ」という言葉を普及したのも博報堂とのことです。

何と9割以上の日本人の認知があったとのことです。

 

同書によると、デザインと経営は、「経済」「文化」「社会」という三面から考えなければいけないということ。

そして、デザインを経営に取り入れるための6つのステップとして、以下の3+3を提言しています。

 

ビジョン・プロトタイピングの3つのステップ

1.論点化

2.言語化

3.可視化


アクション・プロトタイピングの3つのステップ

1.シナリオ化

2.可視化

3.体系化

 

キーワードは「可視化」。

まさにデザインの最終局面となるものです。

経営とデザイン・・・とても魅力的な関係だと思います。


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