能率技師のメモ帳 経済産業大臣登録中小企業診断士・特定社会保険労務士の備忘録

マネジメント理論、経営理論を世のため人のために役立てるために

クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす サイバーエージェントの人事部長が書いた一冊

2014年08月18日 | 本と雑誌

人事というのは、本当に難しいものです。

「人事」と書いて、「ヒトゴト」と読めます。


わたしも以前、企業の人事部に所属していたのですが、ヒトを巡るマネジメントは、本当に難しいものです。

 

「クリエイティブ人事 個人を伸ばす、チームを活かす」

曽山哲人・金井嘉宏著 光文社新書 760円+税

 

曽山さんは、ベンチャーとして急成長を遂げたサイバーエージェントの人事部長。

伸び盛りの組織の人事部長として、新しいチャレンジを続けています。


個人的には、人事部は黒子、静かに社員を支えるサポーターと考えているのですが、曽山さんは異なります。

人事部は、「コミュニケーション・エンジン」であるとともに、人を通じて組織の成果を上げるセクションと定義、同社での人事改革を推進しています。


目次

序章 人事は何のために存在しているのか

第1章 ベンチャーに人事本部が生まれるとき

第2章 コミュニケーション・エンジン 矛盾の中に解を見出す

第3章 個人と組織が成長する仕組み

第4章 進化する人事

第5章 人事クリエイターの旅


この本は、曽山さんの執筆が9割以上の、いわば実務家の書いた一冊。

同書の腰巻には、「人は感情で動く そのために必要な仕組み」というキャッチコピーが掲げられています。

確かに人は、感情や勘定で動くのですが、そのさじ加減は本当に難しいものです。


同書では人事部長自らサイバーエージェントの主な人事制度を具体的に解説されています。


1.ジギョつく(事業をつくろうの略)

2.CAJJ 人材育成プログラム

3.あした会議

4.詰め切りセンター試験

5.モックプランコンテスト

6.CA8

7.キャリチャレ

8.社内ヘッドハンティング

9.2駅ルール

10.マカロンパッケージ・・・などなど


藤田社長が24歳で立ち上げたサイバーエージェント。

その発展途上の中で、同社を業容を拡大させた人事施策・・・。

ガチガチの人事諸制度ではなく、かなりフレキシブルな展開が同社の発展を支えたものと推測されます。

老舗と言われる広告代理店では、その適用はすこぶる難しいものと思います。

現場を「しきる」営業担当や媒体担当、クリエイティブ、マーケ・・・そのプロフェッショナリズムは新人事制度を跳ね返します。


が、時代は、ITCの時代へ・・・。

目新しさのあるベンチャーの人事制度の概要を知るには、とても興味深い一冊だと思います。

それが「わが社」に当てはまるかどうか・・・。

その成功率は2割弱と考えた次第です。

人事労務は、難しいです。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする