作 ・・・ 井上ひさし
農民の理想郷を作るべく、幾度となく故郷の花巻から汽車で東京を目指し
そのたびに挫折を味わった賢治。
そんな賢治が東京へと向かう汽車の中、そして東京での滞在先の様子を描く。
宮沢賢治 (1896~1933)
家業・質店の長男として生まれる。
生前は無名に近い状態であったが、没後に草野心平らの尽力により
作品群が広く知られ、世評が急速に高まり国民的作家とされていった。
東京に憧れつつも、結局は故郷花巻にユートピア・イーハトーボを作ろうとする。
エスペラント(造語)を農民に教えて世界中の農民と話をさせたい。
詩人、童話作家、宗教家、化学者、農業技師、土壌改良家、造園技師、教師、社会運動家
情熱の赴くままに理想を追い求めた賢治は・・どれもうまくいかなかった。
自立できず、父の意を受け追いかけてきた刑事に徹底的に言われる。
・・・あんだは百姓だと自分でおっしゃっとるが、
百姓仕事でごはんを食べていますか?
何から何まで親がかり、そんな百姓がどこにいますか?
あんまり百姓をバカにせんでもらいたい!! ・・・
賢治の苦悩が・・・。