川端康成の雪国
先日ようやく読みきりました。
情景描写の美しさが素晴しいと感じる作品でした。
ただ、話の流れなどまだまだ難解な点が多かったので
詳しい方ぜひ教えてください。
○島村と駒子
駒子から見て島村って立場上お客さんですよね?
酔って来て介抱を受けたり夜中や朝に押しかけてきたりって
いくら好きだからってアリなんでしょうか?
言葉遣いもけっこう挑戦的というか荒く感じました。
島村もそれを受け入れてたから悪くはないんでしょうけど;
○葉子
後半で「気ちがい」と使われていますが(泣いた直後風呂で歌ってるとか)
病的なものなんですか?それとも駒子の許婚が亡くなった後から?
それか病気ではないものの、精神的に不安定だということですか?
○駒子「いい女」
後半島村が駒子に対し「いい女だ」と言った時駒子が怒りを露にします。
本気でもないのに気持ちを持たせるようなことを言ったことに対し怒ったのかと
思ったんですが、文中「駒子が聞き違いをした」とあります。
何を聞き違えたんでしょうか?
○天の河
終盤「天の河」という表現が出てきます。今で言う彦星と織姫の関係を島村と
駒子の状況に似せて使っているということでいいんでしょうか?
それだとしたら、島村は「友達以上恋人未満」主義というか、本気にはな
れないんです
よね?(妻子いるし一応)この表現は駒子の気持ちが強いんでしょうか?
○性的描写がほとんどない
余談ですが、島村には駒子、葉子、妻(出てこないけど)と女性がいる中で、全くと
言っていいほど性的描写がなかったですね。
序盤の「指が駒子を覚えている」くらいだったかと思いますが、他にありましたか?
○クライマックス
火事のシーンは結局答えの無い終わりだと思います。
落ちた葉子に駒子が駆け寄るところ・・・
葉子と駒子の相互関係というか、思うところってどういったものだったのでしょうか?
単純に嫌いあっていたわけではないのでしょうか?
読解力が劣っていてすみません;
他の方の解釈を是非参考にさせて頂きたいです。
よろしくお願いします。
・島村と駒子
私の見解では、好きには好きだったとは思いますが、あまり本気ではなかったと思います。逆に本気でもないのに、あの馴れ馴れしい言動はいまいち良さの理解しがたい感じがしました。
・葉子
不思議系な人だという印象を受けました。というよりも、この辺は私も読解力不足で、葉子に関して深く理解できませんでした。
・駒子「いい女」
分かりません。質問者さんの解釈が正しいと思います。島村は少々たらしな感じ伺えます。妙な恋愛感情を抱いて駒子にそのような事と言うのは、駒子の怒りを買っても仕方がないと思います。
・天の川
島村と駒子を織姫と彦星に例えるのは、何だか不釣合いだと思います。質問者さんのおっしゃる通りで、友達以上恋人未満なので、離れていても愛し合っている織姫と彦星とは違うと思います。私の想像としては、現実(=地上)では結ばれることはないので、理想(=夜空)では結ばれたいとでも思ったのでしょうか。そう考えると本気になれない島村の心情も腑に落ちませんが、作者がどうしてこのような表現をしたのかを考えると、私は前述のような想像をします。
・性的描写がほとんどない
他の川端作品と比べれば、確かに全くと言っていいほど少ないと思います。
・クライマックス
もの凄い中途半端な終わり方だと感じましたが、今まで中途半端だった島村の心には、「やはり駒子は俺が手に入れられる女ではない」といったような区切りができたのではないでしょうか。
作品全体を通して、私は読み終わった後、もどかしい気持ちが残りました。
う~ん腑に落ちないというかなんというか・・・奥が深いと一言で片付けてはいけないとも思いますが、難解ですね・・・しかし、私と考えがほぼ同じ方がいらっしゃって嬉しいです。
とても共感しました。お二人ともありがとうございました!!