仕事の道楽化

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克服体験を味わう機会を与える

2012年06月12日 | 人生観

 大学時代のことである。キャンプに行った。その時、川遊びをしたときのことが印象に残っている。

 みんな泳ぎは上手だった。ただ、飛び込む遊びになったとき、頑なに拒否する同級生がいた。

 

 岩場から飛び込もうということになったのである。高さはいろいろである。3m、5m、・・・1mの高さもあった。

 どの高さからも「イヤ」という同級生がいた。

 1m位の高さでもダメである。そこから3m位の深さの川ならば、全く問題はないと感じた。

 理由は、「怖い」である。

 

 それまで、もっと深いところで泳いだりもぐったりしていた同級生である。初めは、なぜ「怖い」というのかが分からなかった。

 

 

 よく聴いてみると、深さではなく、高さが「怖い」とのことである。

 

 これまで、泳いだことはあっても、飛び込んだことはないとのことであった。

 

 確かに、経験していなければ「怖い」のである。

 

 逆に、経験していれば、怖くないのである。

 

 

 

 

 小学校、中学校の学習指導要領解説「体育編」には、次のような記述があった。

 

「スタートの指導については, 安全への配慮から, すべての泳法について水中からのスタートを扱うようにする。」

 

 

 愕然とした。これでは、プールの上からのスタートは教えないことになる。

 

 これでは、ますます子どもたちはひ弱になる。前述した「泳ぎはうまいが飛び込みは怖くてできない同級生」をたくさん生み出してしまう気がする。

 小学校のうちに体験していれば、どんな角度で飛び込めばよいのか、どんな角度は危ないのかが分かる。小学生ならば、逆さ感覚などの身体感覚も身に付きやすい。

 

 低いところから初めて、どんな角度で入水すればよいのかを確認し、だんだん高くすればよい。

 

 せめてこれからの子どもたちには、自分と同じ位厳しい環境に身を置き、たくましいからだと精神力を身につけてほしいと心から願っている。

 

 少なくとも、わが子や身近な子どもたちには、飛び込み台からのスタートを教えたい。

 

 そして、自分と同じように、水中に飛び込むときのスリル、楽しさを味わってほしい。

 

 スモールステップをふまえた恐怖体験や克服体験を味わう機会を奪うのは、子どもたちにとってかわいそうである。

コメント
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