竹内和雄氏の著書「10代と考えるスマホ」を読んだ。
学びが多い本だった。
ネットの利用時間が長い生徒は、国語も数学の点数が低いことがわかる。
4時間以上の生徒はかなり低い。
ただ、一番点数が高いのは、数学も国語も1時間未満の生徒で、全くしない生徒よりも高い。
社会への関心も自分自身への満足度も、ネット利用が1時間程度の生徒が1番高い傾向が見られる。
ここからは、感想であるが、インターネットが普及するよりも昔は、学力が高い児童生徒のには、2つの特徴が見られた。
それは、「テレビの視聴時間が短い」と「決まったお手伝いをしている」である。
テレビの視聴時間が短いというのは、家庭にルールがあり、そのルールを守らせることができる教育力があるということであろう。
また、お手伝いをするということで、見えない学力を育むことができると考えられる。さらに、自分以外の家族の役に立つことをしている自分に対する有用感も育まれたと考えられる。
この2つは、心のブレーキとアクセルをコントロールできる子に育てられるという面がある。
テレビの視聴時間を短くすると言うのは、「心のブレーキをかける子」に育っていると言える。
お手伝いと言うのは、自分の体を使って、何か役に立つことをするという「心のアクセルを踏むことができる子」を育てられていると考える。
今は、ネットの利用時間によって、「心のブレーキをかけることができる子」に育っているかどうかが分かるということだろう。
この本には、ネットの利用時間と学力の関係以外にも、いろいろなデータや著者の見解が示されている。
例えば、
ネット利用に関するルールの決め方のポイントである。
「大人が勝手に決めたルール」「自分だけで決めたルール」は、なかなか守りづらい。
大人や学級の友達と一緒に、話し合って決めるのが、ポイントになりそうである。
ルールの視点には、時間、場所、お金、マナーなどがある。
あとがきに書いてあった言葉も印象深い。
「ネットは道路と同じです。使わなければ事故は起きませんが、子供たちに使わせないわけにはいきません。」
「道路とネットは似ていますが、違う事は、ネットは道路と違って自衛が容易と言うことです。」
中学生向けの本ではあるが、大人が読んでも充分学びがある。
保護者や小中学校の教員にはとてもオススメである。
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