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血圧の基準値は、年齢によって違う。50歳なら上は140が基準値?

2021年06月03日 | 健康・病気
健康診断は受けてはいけない」近藤誠著(文春新書)を読んだ。

 自分の健康診断に関する考えがかなり変わる本である。



 例えば、血圧の基準値は、昔と今とではだいぶ違う事が分かった。

 昔は、「上の血圧の基準は、自分の年齢に90~100を足したものだ」等と言われていた。

 というのも、人は年をとるほど動脈が狭くなり、そのままだと、脳に届ける血液量が少なくなる。

 そこで、体は、血圧を自動で調節して高くし、高血流を確保するわけである。

 ところが、世界保健機関(WHO)は、次のように変更してきた。

 1978年にすべての年齢の基準値として、95~160、 これ以上は高血圧であるとした。

 1999年には、90~140になった。

 日本も2000年に、日本高血圧学会が90~140とした。

 比較試験をしても、低い血圧のグループの方が、死者が多くなっているという結果が出ている。

 それなのに、なぜ下げたのか?

 降圧剤という薬が売れるからである。



 著者は、次のように書いている。



 数千万人が降圧剤を飲んでいる日本では、不都合な事態がたくさん生じています。

 ひとつは”脳梗塞”です。血圧を下げると、脳血管の中で血がかたまりやすくなり、血液が流れなくなって脳組織が死滅するのです。

 脳梗塞は”脳卒中”の一種ですが、日本の別の比較試験では、上の血圧が150~180、下の血圧が90~100の人にクスリを飲ませたところ、プラセボ群にくらべ、脳卒中が50%増しになりました(臨床医薬2000; 16: 1363)。

 別の不都合は”ボケ症状”です。クスリで血圧を下げると、血流が減るため脳の働きがおち、記憶力や判断力の低下、無気力などが生じ、ボケに似てくるのです。

 日本での調査では、上の血圧をクスリで120未満に下げると、食事、入浴、着替え、排泄、歩行などの日常生活に支障をきたして自立できない人が七割にのぼりました。

 さらには、フラフラして転んで大腿骨を折り、手術しても寝たきりになるという負の連鎖もよく生じます。


 以上「健康診断は受けてはいけない」近藤誠著(文春新書)より引用



 ちなみに、脳卒中には、脳梗塞と脳出血とがある。

 脳の血管が詰まるのが「脳梗塞」、血管が破れるのが「脳出血」である。

 脳卒中の中でも、昔は脳出血が多かった。栄養状態のせいかもしれないが、血管が破れる人が多かったのである。

 今は、脳梗塞の方が多いそうだ。

 これは、血圧を下げる薬も原因の一つではないだろうか。

 血圧を下げることで、血栓(血のかたまり)を押し流す力が弱くなるからである。

 


 自分の血圧は、朝が95~150、夜は65~120である。

 昔の基準のように、年齢に90から100を足した場合は、正常値となるので、これからも降圧剤は飲まないことにする。



 それにしても、「高血圧症ですね。」と診断されたとしても、本人は自覚症状は無いことが殆どである。

 症状が無いのに病人になるというのは、考えてみればおかしな話である。


 ほかにも、がん検診、メタボ健診、ピロリ菌検査、脳ドック、骨粗鬆症など、「健康診断のウソ」が書いてある。

 自分や家族、周りの人の健康を守るためには、こういう知識も必要だと思う。

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