「かつお節は発酵食品です。」とおっしゃる方がいて、
こう言い切るのはいかがなものかと思い、記事を書くことにしました。
かつお節には2種類あります。
荒節と
(本)枯節です。
(本)となっている理由は、後で説明いたします。
荒節が節の状態で市場に出回ることはありませんが、
これを削ったものが、スーパーで見かける、いわゆる「花かつお」です。
荒節も枯節も途中までは、製造工程は同じです。
1 かつおを三枚におろします。(生切り)
2 95℃~98℃で1時間~1時間半煮ます。(煮熟)
3 おろしただけでは取り切れなかった小骨を抜きます。(骨抜き)
4 煮熟した時に欠けた部分を、かつおのすり身で補います。(すり身・整形)
5 クヌギやナラの木を燃やした煙でいぶします。(焙乾)
ここまで1ヶ月ほどかかります。
こうして出来上がったものが荒節です。
6 荒節の表面を削って、黒いタール分を落とします。
7 カビ付け庫(温度28℃ 湿度75~80%)の中で、カビ菌を付けます。(カビ付け)
8 2週間で1番カビが出たら、払い落として天日干しにします。
工程の7と8を2回以上繰り返したものが枯節で、
4回以上繰り返すと本枯節となります。
ここまで3ヶ月~半年かかります。
さて、かつお節は発酵食品と言えるかどうかですが、
発酵というのは、
食品についた様々な微生物が食品のタンパク質やでんぷん質を分解して、
アミノ酸や糖分を作り出すことによって、旨味や香りが生まれる事です。
こうしてできた食品を発酵食品と言います。
かつお節の製造工程を見てみると、
荒節ができるまでには、微生物の力を借りていません。
ということは、荒節、花かつおは発酵食品ではありません。
カビ付け庫で、カビが成長し行く工程で、節に発酵が起こり、
(本)枯節になっていきます。
ですから、かつお節の中で発酵食品と言えるのは、(本)枯節だけなのです。
削って売られているかつお節を買う時は、表示をよくご覧ください。
荒節 → 「かつおのふし」と表示
(本)枯節 → 「かつおのかれふし」と表示
ただし、発酵していない荒節が劣っているわけではありません。
かつお本来の味といぶした風味が楽しめる荒節は、鍋料理、お味噌汁、麺つゆに、
洗練された味と香り、澄み切った色が楽しめる(本)枯節は、お吸い物や茶わん蒸しに、
というように使いわけていただければと思います。
以上、かつお節は発酵食品と言えるかどうか、
お分かりいただけましたか?(^-^)
初めて知りました。
確かにかつお節コーナーに行くと
荒節と枯節がありました
枯節も花がつお状態で売っていたので
買ってきて冷奴にかけて食べてみたら
夫が「かつお節がいつもと違う」と言っていました
それぞれ、美味しいですが、枯節の方が
コクがあるような気がします
いろんなかつお節、食べ比べてみたくなりましたよ🎵
私も子どもの頃は、祖母が毎日、枯節を削っているのを見ていたせいか、
「かつお節=枯節」で荒節の存在など全く知りませんでした。
ましてや、花かつおが荒節を削ったものだなんて、かなり大人になるまで知りませんでした。(^-^;
製造期間を比べてもわかりますように、
枯節の方が荒節よりも、生のかつおから遠いところにあります。
それだけ、魚臭さが減り、洗練された風味になります。
冷奴にかけると、かつおの風味が大豆の甘さを際立たせるような気がします。
ご主人様の味覚、素晴らしいですね!!