雨過天晴

ジャズとホークスとファッションなどなど
興味のあることには片っ端から手を出して
そして時々飽きます

ぼくが愛したゴウスト

2014-01-21 | 

読む前から期待していた一冊。

 

ぼくが愛したゴウスト (中公文庫)
打海 文三
中央公論新社

 

あとがきを伊坂幸太郎が書いていて、彼のエッセイ『3652』にも収録されていました。

 

3652―伊坂幸太郎エッセイ集
伊坂 幸太郎
新潮社

 

11歳の何の変哲もない男児が、初めて一人で遠出をしたコンサートの帰りに駅で人身事故に遭遇し、そこから周囲に違和感を感じ始める。

何故周囲が変わっているのか、自分に何が起こったのか、訳の分からないまま、彼は謎の組織に追われることになる・・・。

 

子どもが心の中で抱えきれない問題を抱きつつ、自ら考え、生き抜いていく様を追っています。

子どもの可能性、「弱い」と思われている者の「強さ」を描写しています。

裸者と裸者』のように、血生臭さはないものの、子どもには残酷な現実を突きつけ、どう乗り越えるのか、登場人物に試しているところは共通するテーマです。

 

伊坂幸太郎もあとがきで言うように、安易なエンディングではなく、後に余韻が残ります。

いや、打海作品に飲み込まれています。

 

 

 

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