2007/06/13
「この頃は御息所は物思い深くなりたり祭りの怨み()」
「もののけや生霊などが多くいで最後のものがしつこくあらん()」
「憑人ヨリヒトに乗り移らずに居座れる生霊ありてなかなか出でず()」
「六条の館を汚すことできず他の場所にて修法をする()」
「時が時場所が場所なり密やかに忍びていける六条がもと()」
「袖ぬるるこひぢとかつは知りながらおりたつ田子のみづからぞ憂き()」
「悲しくて涙で濡れる恋なれど泥田に沈むわが悔しき(#114)」
「くやしくぞ汲みそめてける浅ければ袖のみぬるる山の井の水(古今六帖)」
「浅みこそ袖はひづらめ涙川身さへ流ると聞かばたのまん(古今集)」
「浅みにや人はおり立つわが方は身もそぼつまで深きこひぢを(#115)」
「ずぶぬれになるほど深い恋なのに袖が濡れるは深みであらず()」