2007/06/22
「斎宮が伊勢へ下る日近ずきて御息所も気持ちが揺れる()」
「野宮は逢う瀬の場所にそぐわなく源氏も夜這いかけることなし()」
「人のよい源氏は決める野宮へ御息所に会いに行きたり()」
「嵯峨野へと分け入りたればあはれなりかすかにきこゆ琴の音艶に()」
「琴の音に峰の松風かよふらしいづれの緒よりしらべそめけん(拾遺集)」
「千早ふる神の忌垣も越えぬべし今はわが身の惜しけくもなし(拾遺集)」
「千早ふる畏れ多くも神域にいかになろうとわが身振り捨て()」
「わが庵は三輪の山本こひしくばとぶらひ来ませ杉立てる門(古今集)」
「神垣はしるしの杉もなきものをいかにまがへて折れる榊ぞ(#132)」
「榊葉の香をかぐはしみとめ来れば八十氏人ぞ圓居せりける(拾遺集)」
「乙女子があたりと思へば榊葉の香をなつかしみとめてこそ折れ(#133)」
「乙女子が袖ふる山の瑞垣の久しき世より思ひそめてき(拾遺集)」
「暁の別れはいつも露けきをこは世に知らぬ秋の空かな(#134)」
「大方の秋のわかれも悲しきに鳴くねそ添へそ野辺のまつむし(#135)」