2007/06/19
「『面やつれしたであろう』となぐさめの言葉を院より頂戴をする()」
「いよいよに源氏は還る二条院に男も女も待ちかねていた()」
「紫も久しく見ぬ間に美しくなりはにかみて横を向きたり()」
「ある朝に姫がなかなか起きてこず女房たちは心配をする()」
「あやなくも隔てけるかな夜を重ねさすがに馴れしなかの衣を(#129)」
「幼くて一緒に寝ても衣ごし抱いた感触さすがに馴れし()」
「その後はなにをいいても聞き入れずふとんの中で泣きたまうなり()」
「十月の亥の子の餅そなえるについでに祝う若紫のため()」
「若草の新手枕をまきそめて夜をや隔てん憎くあらなくに(万葉集)」
「み狩りする雁羽の小野の楢柴の馴れはまさらず恋こそまされ()」
「あまた年けふあらためし色衣きては涙ぞふるここちする(#130)」
「新しき衣を揃いて着たけれど葵はなくて涙もよおす()」
「新しき年ともいはずふるものは古りぬる人のなみだなりけり(#131)」
「新年に関わりもなく降るものは残された親の涙なんです()」