そのままVon

おもに31文字の語呂合わせ日記

万葉集#5.0886-5.0891

2009年12月18日 |  / 万葉集
12/18
「以下六首憶良が歌う熊凝の志への返し歌らし
(筑前の国司守ミコトモチノカミ山上憶良が、熊凝に為カワりて其の志を
述ぶる歌に敬みて和ナゾラふるうた六首、また序)」
「熊凝の思いをとらえ慈しみあふれる歌はさすが憶良か()」
「打日さす宮へ上るとたらちしの母が手離れ常知らぬ国の奥処オクカを百重
山越えて過ぎゆきいつしかも都を見むと思ひつつ語らひ居れどおのが身し
労イタはしければ玉ほこの道の隈廻クマミに草手折り柴取り敷きて床じもの
うち臥コい伏して思ひつつ嘆き伏せらく国にあらば父とり見まし家にあらば
母とり見まし世間ヨノナカはかくのみならし犬じもの道に伏してや命過ぎなむ
(#5.0886)」
「1.はれやかな宮へ上るとたらちねの母の手本を離れゆきたり()」
「2.玉ほこの道の隈にて草手折り柴取り敷きて病床にする()」
「3.家ならば父母とり見まし世間ヨノナカはうまくいかない野垂れ死ぬのか()」


「たらちしの母が目見ずておほほしくいづち向きてか吾アが別るらむ(#5.0887)」
「たらちねの母を見ないで落ち込んでどっちを向いてお別れするのか()」
「常知らぬ道の長手を暗々クレクレといかにか行かむ糧カリテは無しに(#5.0888)」
「常ならぬ長い道のり暗々クレクレとたべものもなくどうして行かん()」
「家にありて母が取り見ば慰むる心はあらまし死なば死ぬとも(#5.0889)」
「家にいて母が看取ってくれるなら納得できるたとえ死ぬとも()」
「出でてゆきし日を数へつつ今日今日と吾アを待たすらむ父母らはも(#5.0890)」
「いでゆきし日を数えつつ今日か明日かと待ちし父母等は()」
「一世には二遍フタタビ見えぬ父母を置きてや長く吾アが別れなむ(#5.0891)」
「この世では二度と会えない父母を残して永遠に別れるのかな()」
コメント
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