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「遣唐使無事旅せよと送りだし無事の帰りを祈る歌らし
(好去好来の歌一首、また、短歌)」
「1.昔から倭ヤマトは皇神スメカミ治められ言霊コトタマ幸サキはふ国と伝えり
(神代より言ひ伝て来ケらくそらみつ倭ヤマトの国は皇神スメカミの
厳イツクしき国言霊コトタマの幸サキはふ国と語り継ぎ言ひ継がひけり)」
「2.選ばれし家の子なりと大御言戴き行ける唐モロコシの国()」
「3.船舳フナヘには諸々の神導きて倭の御魂ミタマも天翔アマカケり来る
(遠き境に遣はされ罷りいませ海原の辺ヘにも沖にも神づまり領ウシハきいます
諸々の大御神たち船舳に〔反云、フナノヘニ〕導きまをし天地の大御神たち
倭の大国御魂ミタマ久かたの天アマのみ空ゆ天翔アマカケり)」
「4.事なして帰らんときも御神等が手を貸したまう障ツツみはなけれ
(渡したまひ事終り帰らむ日には又更に大御神たち船の舳に御手うち掛けて()」
「5.墨縄を延ハへたるごとく阿庭可遠志アチカヲシ値嘉チカの崎より早帰りませ
(大伴の御津の浜びに直タダ泊てに御船は泊てむ障ツツみなく幸くいまして
早帰りませ)」
「神代より言ひ伝て来ケらくそらみつ倭ヤマトの国は皇神スメカミの
厳イツクしき国言霊コトタマの幸サキはふ国と語り継ぎ言ひ継がひけり
今の世の人もことごと目の前に見たり知りたり人さはに満ちてはあれども
高光る日の朝廷ミカド神ながら愛での盛りに天の下奏マヲしたまひし家の子と
選びたまひて大御言〔反云、大命オホミコト〕戴き持ちて唐モロコシの
遠き境に遣はされ罷りいませ海原の辺ヘにも沖にも神づまり領ウシハきいます
諸々の大御神たち船の舳に〔反云、フナノヘニ〕導きまをし天地の大御神たち
倭の大国御魂ミタマ久かたの天アマのみ空ゆ天翔アマカケり見渡したまひ
事終り帰らむ日には又更に大御神たち船の舳に御手うち掛けて墨縄を延ハへたる
ごとく阿庭可遠志値嘉チカの崎より大伴の御津の浜びに直タダ泊てに御船は
泊てむ障ツツみなく幸くいまして早帰りませ神代より言ひ伝て来ケらく
(#5.0894)」
「大伴の御津の松原かき掃きて我立ち待たむ早帰りませ(反し歌#5.0895)」
「大伴の御津の松原掃き清めわれらは待てる早帰りこせ()」
「難波津に御船泊てぬと聞こえ来ば紐解き放けて立ち走りせむ(#5.0896)
「難波津に船が着いたと聞こえたら紐もそこそこ駆けつけましょう()」
「憶良宅帰朝の挨拶うけたらし二日あとには上申をする
(天平五年三月の一日 良宅対面、献ルハ三日ナリ。山上憶良 謹みて上る。
大唐大使モロコシニツカハスツカヒノカミの卿の記室)」
「遣唐使無事旅せよと送りだし無事の帰りを祈る歌らし
(好去好来の歌一首、また、短歌)」
「1.昔から倭ヤマトは皇神スメカミ治められ言霊コトタマ幸サキはふ国と伝えり
(神代より言ひ伝て来ケらくそらみつ倭ヤマトの国は皇神スメカミの
厳イツクしき国言霊コトタマの幸サキはふ国と語り継ぎ言ひ継がひけり)」
「2.選ばれし家の子なりと大御言戴き行ける唐モロコシの国()」
「3.船舳フナヘには諸々の神導きて倭の御魂ミタマも天翔アマカケり来る
(遠き境に遣はされ罷りいませ海原の辺ヘにも沖にも神づまり領ウシハきいます
諸々の大御神たち船舳に〔反云、フナノヘニ〕導きまをし天地の大御神たち
倭の大国御魂ミタマ久かたの天アマのみ空ゆ天翔アマカケり)」
「4.事なして帰らんときも御神等が手を貸したまう障ツツみはなけれ
(渡したまひ事終り帰らむ日には又更に大御神たち船の舳に御手うち掛けて()」
「5.墨縄を延ハへたるごとく阿庭可遠志アチカヲシ値嘉チカの崎より早帰りませ
(大伴の御津の浜びに直タダ泊てに御船は泊てむ障ツツみなく幸くいまして
早帰りませ)」
「神代より言ひ伝て来ケらくそらみつ倭ヤマトの国は皇神スメカミの
厳イツクしき国言霊コトタマの幸サキはふ国と語り継ぎ言ひ継がひけり
今の世の人もことごと目の前に見たり知りたり人さはに満ちてはあれども
高光る日の朝廷ミカド神ながら愛での盛りに天の下奏マヲしたまひし家の子と
選びたまひて大御言〔反云、大命オホミコト〕戴き持ちて唐モロコシの
遠き境に遣はされ罷りいませ海原の辺ヘにも沖にも神づまり領ウシハきいます
諸々の大御神たち船の舳に〔反云、フナノヘニ〕導きまをし天地の大御神たち
倭の大国御魂ミタマ久かたの天アマのみ空ゆ天翔アマカケり見渡したまひ
事終り帰らむ日には又更に大御神たち船の舳に御手うち掛けて墨縄を延ハへたる
ごとく阿庭可遠志値嘉チカの崎より大伴の御津の浜びに直タダ泊てに御船は
泊てむ障ツツみなく幸くいまして早帰りませ神代より言ひ伝て来ケらく
(#5.0894)」
「大伴の御津の松原かき掃きて我立ち待たむ早帰りませ(反し歌#5.0895)」
「大伴の御津の松原掃き清めわれらは待てる早帰りこせ()」
「難波津に御船泊てぬと聞こえ来ば紐解き放けて立ち走りせむ(#5.0896)
「難波津に船が着いたと聞こえたら紐もそこそこ駆けつけましょう()」
「憶良宅帰朝の挨拶うけたらし二日あとには上申をする
(天平五年三月の一日 良宅対面、献ルハ三日ナリ。山上憶良 謹みて上る。
大唐大使モロコシニツカハスツカヒノカミの卿の記室)」