3/26
「ただたんに娘子といえ美辞麗句よほどべっぴんなにがありしか
(娘子を思シヌひてよめる歌一首、また、短歌)」
「白玉の 人のその名を なかなかに 言の緒延ハへず 逢はぬ日の 数多マネく過ぐれば
恋ふる日の 重なりゆけば 思ひ遣る たどきを知らに 肝キモ向ふ 心砕けて 玉たすき
懸けぬ時なく 口やまず 吾が恋ふる子を 玉釧タマクシロ 手に巻き持ちて 真澄鏡マソカガミ
直目タダメに見ねば したひ山 下ゆく水の 上に出でず 吾が思ふ心 安からぬかも(#9.1792)」
「美しい その人の名を なまじっか 言葉に出さず 日がたちにけり()」
「逢えなくて 恋ふる日重ね 思ひ遣る すべもわからず 想いつのれり()」
「弱気なり 心に懸けぬ 時もなく 独りごちたり 吾が恋ふる子に()」
「玉釧タマクシロ 手にはめないで 真澄鏡マソカガミ 直接見ない 内に隠れる()」
「山裾の 下ゆく水は わからない 吾が恋ふ心 穏やかならず()」
「垣ほなす人の横言ヨココト繁みかも逢はぬ日まねく月の経ぬらむ(反し歌 #9.1793)」
「垣根なす人の噂が激しくて逢わぬ日多く月はたちゆく()」
「立ち易カハる月重なりて逢はねども実サネ忘らえず面影にして(#9.1794)」
「かわりゆく月だけ経って逢えないが面影だけで直に会いたい()」
「この人はあまり聞かないどんな人辞書に当たりて面影知ろう(右ノ三首、田邊福麻呂ノ歌集ニ出ヅ。)」
「ただたんに娘子といえ美辞麗句よほどべっぴんなにがありしか
(娘子を思シヌひてよめる歌一首、また、短歌)」
「白玉の 人のその名を なかなかに 言の緒延ハへず 逢はぬ日の 数多マネく過ぐれば
恋ふる日の 重なりゆけば 思ひ遣る たどきを知らに 肝キモ向ふ 心砕けて 玉たすき
懸けぬ時なく 口やまず 吾が恋ふる子を 玉釧タマクシロ 手に巻き持ちて 真澄鏡マソカガミ
直目タダメに見ねば したひ山 下ゆく水の 上に出でず 吾が思ふ心 安からぬかも(#9.1792)」
「美しい その人の名を なまじっか 言葉に出さず 日がたちにけり()」
「逢えなくて 恋ふる日重ね 思ひ遣る すべもわからず 想いつのれり()」
「弱気なり 心に懸けぬ 時もなく 独りごちたり 吾が恋ふる子に()」
「玉釧タマクシロ 手にはめないで 真澄鏡マソカガミ 直接見ない 内に隠れる()」
「山裾の 下ゆく水は わからない 吾が恋ふ心 穏やかならず()」
「垣ほなす人の横言ヨココト繁みかも逢はぬ日まねく月の経ぬらむ(反し歌 #9.1793)」
「垣根なす人の噂が激しくて逢わぬ日多く月はたちゆく()」
「立ち易カハる月重なりて逢はねども実サネ忘らえず面影にして(#9.1794)」
「かわりゆく月だけ経って逢えないが面影だけで直に会いたい()」
「この人はあまり聞かないどんな人辞書に当たりて面影知ろう(右ノ三首、田邊福麻呂ノ歌集ニ出ヅ。)」