これは本ではない ブック・アートの広がり
うらわ美術館
これは本である THIS IS A BOOK
THIS IS A PEN のもじりかと思ったがそうではない
この本は本であることを説明した本である
中身を読んでいない人にとっては単なる本である
ほんでもって
読んだ人にとっても本であることに変わりはない
(これはまぎれもなく、本である)
堂々巡りっぷりな作品
意図としては、当たり前に見えるもの感じているものに対して
その当たり前は本当にそうなのか?と考えさせるような意味合いも含んでいるのだろう
奇々怪々な作品群
新聞紙と週刊誌を超巨大化させ積み上げたオブジェ
横1m高さ1m60cmぐらいはあろうか
はっきりいって不気味である
一枚一枚めくることはできないだろう
(これは本じゃないね…)
アイアンブックと題された鉄の本
(確かにこれも本ではない…)
外側をコーティングされた百科事典が水に浮かんでいる作品
(これも本とは言い難い…)
紙でレンガのようなブロックを作り
それを円柱状に床から天井まで積み上げた作品
THE LIBRARY OF BABEL
(これは絶対、本じゃない…)
ウォールケース、長さ25mはあるだろうか
そこに蝶の図鑑から切り抜かれた蝶たちが
ガラスに壁に、一面びっしりと貼られている
鳥瞰しようにも、端から端まで視野に捉えるとこはできない
蝶の切り抜きは千や二千では足りていないのじゃないだろうか
その切り抜く作業を考えただけで気が遠のいてくる
超単純作業の蝶の切り抜きを散りばめた超絶超大作
焼かれた本が幾つも四角い網状のコンテナに入って展示されている作品
ここから美術館全体に、焦げ臭い炭の匂いが漂っていた
(本という体裁を成していない…)
作品の前で頭を抱えたくなるようなものが他にもあり…
出口で
「こんなのどれも本じゃねえ!」
と、叫びたくなるような企画展だ
たぶん、そうなるように仕向けているようにも感じる…