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ブルガリアン・ヴォイス「Le Mystere des voix Bulgares」:東洋と繋がる感覚

まだエミール・クストリッツァの映画を知らず,従ってバルカン半島のブラス音楽も聴いたこともなかった1987年,バウハウスやコクトー・ツインズで知られるマイナー・レーベルの4ADから出たこの作品を聴いた時の驚きは,TALKING HEADSの「Remain In Light」に圧倒された時のショックに,比肩しうるものがあった。 女声コーラス,というジャンルが想起させる一般的なイメージとは大きくかけ離 . . . 本文を読む
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TALKING HEADS「Remain In Light」:ニューヨークの画学生VSアフリカ大陸

当時の私にとっては,ニューヨークのパンク・グループという漠然とした括りの中にあって,ちょっとはみ出た位置に立ち,エキセントリックかつ飄々とギターをカッティングし続けるびっくり眼のヴォーカル,という印象しかなかった,トーキング・ヘッズの4枚目のアルバム。 しかしそれは,4曲目のタイトル「Once In A Lifetime」が象徴するとおり,正に天地がひっくり返るような衝撃となって,私の前に出現し . . . 本文を読む
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STEELY DAN「THE ROYAL SCAM」:辛うじて「ロック」の端っこで踏ん張る

破れた靴を履いてベンチで寝ている浮浪者。その上空高く聳える摩天楼の先端部のどれもが,蛇や豹などに変貌して,お互いに威嚇し合う。都会の持つ魔力と,その片隅でうずくまる敗者を,実に分かり易い凄みで描き出したジャケットのベタな迫力が,発表当時は実に新鮮だった。でもその絵には,30年を経た今,カニエ・ウェストにサンプリングされて新世紀の空気に曝されてもなお,少しも色褪せずに迫ってくるものがある。「キッド・ . . . 本文を読む
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THE BAND「THE BAND」:こんなレコードにはまった高校生には,話の合う友達が少なかった

「アメリカン・ロックの最高峰」と評されることの多い彼らだが,アメリカ人はリヴォン・ヘルムただ一人で,残りの4人はカナダ人だった。どこを切ってもアメリカの風景や社会,人間,そしてそれらを包む壮大な物語が浮かんでくる彼らの音楽は,実は『外国人が作り上げた神話』という側面を持っていたのかもしれない。 彼らの音楽については,既にグリル・マーカスが素晴らしい評伝を書いているが,ロックンロールに対して深い理 . . . 本文を読む
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