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映画「シングルマン」:不定冠詞に込められた監督のヘヴィーな思い

静かな映画だ。過去と現在がフラッシュバックで描かれ,主人公の感情は時に激しくうねるのだが,常に画面に漂っている静謐な冷気は,主人公が住むモダンな家のガラスを通して観客席にまで伝わってくる。けれども,一見静かで冷たい中に,時に登場人物の身体の奥から寡黙な情熱が滲み出す瞬間がある。画面の情報量は最小限に抑えられ,登場人物は皆自分の存在を持て余しているように見え,まるで所在なげにあたりをうろつくことで生 . . . 本文を読む
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