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金が余っている?

2011-01-12 | 社会
大企業の内部留保(もうけの溜め込み)が増え続けている。

全労連・労働総研などの調査によると、大企業の内部留保は1997年から2009年にかけて142兆円から244兆円に激増。
一方、同じ期間に民間企業労働者の年間平均賃金は62万円以上も下がり、そこで働く非正規労働者はどんどん首を切られた。

過去、「企業がもうかれば労働者・国民も潤う」といわれたが、事実の前にその「神話」は見事まで崩れ去っている。
いまや、日本経済の立て直しためにも、内部留保を賃上げと雇用確保に回すすべきだとの声が財界系シンクタンクからも出ている。

日本国家公務員労働組合連合会(国公労連)などの調査・試算によると、日本の主要企業144社と持ち株会社142社の内部留保額の3%分を取り崩すだけで、正規・非正規雇用労働者に月1万円の賃上げを実施できる主要企業は、120社も。また、雇用(年収300万円、1年間の雇用)について見ると、内部留保の1%を使うだけで1000人を超える新たな雇用をつくりだすことができる主要企業は、87社あるという。

たとえば、トヨタ自動車の内部留保は13兆2756億円。この0・49%を使っただけで、正規・非正規を合わせた労働者約38万人に月1万円の賃上げが実現でき、1%を取り崩せば、4万4千人を超える労働者を新たに雇用できるという。

菅政権が法人税を5%引き下げるという。これ、赤字経営で税金の払えない中小企業にはほとんど恩恵がなく、大企業の「金余り」をいっそう促進するだけ。こんなことをやっていては、ますます日本経済を泥沼に引きずり込んでいくことになりかねない。


※国公労連の内部留保活用による雇用増、賃上げ試算から(「しんぶん赤旗」1/8より)