世界最悪の企業をインターネット投票によって決定する「2012 パブリックアイ賞 」が発表された。この賞は環境保護団体「グリンピース」とスイスのNGO団体が主催しているもので、社会的責任を無視し、人々や環境に悪害を及ぼした企業を“表彰”するというもの。
残念ながら今回、「コスト削減のため安全策を怠った企業」として東京電力が第2位に入った。「経費節減のために『安全神話』をふりまき、原発の安全性を無視した」ことや、「隠蔽と改ざんの企業風土」などが受賞理由。「しかるべき対策をとっていれば、ここまで世界中に放射性物質をまき散らす事態にはならなかったはず」と強く糾弾されている。また、東京電力は今回の賞にとどまらず、「21世紀のパブリック賞」として推薦されているという。
第1位は世界最大規模の資源企業VALE(ヴァーレ)というブラジルの企業。アマゾン川支流のひとつに巨大なダムを建設し、周辺住民を追い出すだけでなく、広大な熱帯雨林を水没させ深刻な生態系の破壊を引き起こしていることが授賞理由。
第3位は、モバイルや家電で日本でも知られる韓国企業サムスン。自社工場内で発がん性のある違法な有害物質を使用、それを従業員に知らせず、従業員を保護しなかったことが評価?された。サムスンについてはこれ以外でも、発展途上国に進出したところで多くの労働者を無権利で働かせていることなども再三非難されていて、それも理由になっているようだ。
表彰された企業の受賞理由を見れば、「安全」よりも、働く人の「権利」よりも、「環境」よりも…企業の「利益最優先」がその共通項にある。
企業活動に社会的ルールを守らせる必要性を強く感じざるを得ない。