風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

稲の匂い

2009-07-31 | 日常
自転車で田んぼの横を通り過ぎたとき、久しぶりに稲の匂いを嗅いだ。
稲の上を飛び回るトンボ、夏風に波打つ穂、むーとする稲の匂…、中学生の頃に田の水入れ行った頃を思い出した。

水入れが終わるまで舟に寝そべり、本を読んだり昼寝をして過した。たまに寝すぎて畦から水が溢れていたこともあった。何とものんびりしたものだった。あの頃はの農家はみんないい米を一粒でも多くと頑張っていた。

今年も四国や九州で早場米の収穫が始まった。が、その買入価格が去年より10%くらい低下して、60kg当たり1万2.3千円だという。生産費用が平均1万7.8千円だから、作れば作るほど赤字なのだ。先日、実家に帰った時、長兄も「もう、米作りはやっていられない」といっていた。

実家に帰る度に見る光景は、年老いた人と減反で荒れ果てた田だ。誰が農業をこんなにまで衰退させてしまったのか。今は農業をしていないオレだが、農民のせがれの一人として心から怒りを覚える。

“食べ物で何が一番好きか”と尋ねられたら、今でもオレは“新米のご飯”と答える。
農家が米づくりに精出してがんばれ、われわれがいつまでもおいしいご飯を食べられるような農業に、を願わずにはいられない。
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生い立ちの景色⑭ タイ米とすいとん

2009-07-18 | 生い立ちの景色
1953年10月。7歳の秋。

次の日、避難所から歩いて帰ってきたら檜尾川に架かっていた橋が流されてなくなっていた。遠回りして別の橋を渡ってやっと家に着いた。

オレの家は何とか水浸かりは免れたが、田や畑が一面泥海になっていて、それが校区の5つの村まで続いていた。平地に建つ家はほとんどが一階部分が水没していた。

1週間経っても泥水はまだ引かなかった。もちろん学校は休みで、オレの村では集会所へ先生に来てもらって、1年生から6年生までの合同授業が始まった。村のおっちゃんらが交代で先生を舟で送り迎えした。

2週間くらいしてやっと泥水が引きはじめた。決壊した堤防の土砂に埋もれた無残な田んぼが顔を出した。刈取り間近だった稲は全滅だ。畑・池・井路など、何もかも土砂に埋もれて背の高い草木の枝葉だけが頭を出していた。

ここしばらく、おっ父もおっ母も家の裏からこの様子をぼう然と眺めているだけで、何も喋らなくなり、声をかけることも出来ないくらいしょんぼりしていた。汗水たらして育ててきたコメが一瞬にしてパーになったのだから無理もない。

ひと月くらいして土砂を取り除く工事が始まり、村の人が日雇いで雇ってもらうことになった。また、役所からのコメと缶詰の配給も始まった。オレもリヤカーを引いて村の集会所に配給を取りにいった。コメを作る百姓が米穀通帳を持ってコメの配給を受けるのは何か変な感じだった。

配給のタイ米と麦の混ざったご飯、すいとんだけの日が多くなった。おっ母は口癖のように、「食えるだけありがたいと思わなかったらバチが当たる」といった。オレもその通りだと思った。腹いっぱい食えるだけで満足だった。

年の明けた夏頃から、建設省によって家の前の淀川堤防嵩上げ工事が始まった。収入の無くなった村の人らが、臨時で雇ってもらってここで働くことになった。

オレの家からはチズコ姉ちゃんが雇ってもらうことになった。22歳の姉ちゃんがおっちゃんやおばちゃん達に混じってトロッコを押したりする土方作業に汗を流した。
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朝青 またもケンカ相撲

2009-07-17 | 社会
みなさん見ましたか?大相撲名古屋場所3日目(14日)の朝青龍ー豪栄道の一番を。
立ち合いに見せた朝青龍の左肘による豪栄道の右アゴへの強烈な一発。腕を抱え込むようにして、肘からぶつかってゆき、相手の上体を突き上げる攻めである「かち上げ」とは非なるもの。あれはまさにプロレスで使う「エルボー」だ。

さすがに、実況中継していた岩佐英治アナウンサーも「乱暴と思える“かち上げ”」といい、解説者の北の富士勝昭さんも「あれはよくないですねー」と不快感を示していた。

朝青龍の「エルボー」は今回が初めてではない。オレのブログにも書いたが、今年5月の夏場所5日目、対豪風戦でも同じような手を使っている。
相撲規則の「禁手・反則」には書いてないが、自分は痛くないように肘にサポーターを巻き、それを相手のアッパーに打ち込む汚い危険な行為はすべきでない。

朝青龍よ、勝つために手段を選ばない行為を繰り返していて恥ずかしくないのか。
それとも、もうお前はそのような技を使ってしか勝てなくなってしまったのか。横綱らしい正攻法の相撲に立ち返ることが出来ないのなら、潔く横綱を返上して相撲界を去るべきだ。
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“いちびり”

2009-07-07 | 社会
東国原知事と橋下知事の言動が連日マスコミを賑わしている。本当をいうと、あほらしすぎてあまり書きたくなかったのだが、ここまでの“いちびり”振りを見せつけられては黙っておれない。

彼らがタレントとして(オレは橋下氏を弁護士でなく、タレントとして見ている)“いちびる”のは、彼らを使うマスコミ側の要請(思惑)があるので、まだ分かる。しかし、政治の世界での“いちびり”はいい加減にしてもらいたい。

もちろん、彼らが個人的にどの党を支持しょうが、それは自由だ。しかし、彼らは住民から選ばれた地方自治体の長である。その職に就いたら、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法)ことを基本に、すべての住民のために働くことだ。特定政党の人気回復のために、その地位を利用するのはもってのほかだ。

今回の、彼らの動向についてはいろいろな見方があるだろう、それも自由だ。ただ、オレが頭にきているのは、彼らの“いちびり”具合を連日“垂れ流し”するマスコミの“いちびり”報道だ。このマスコミの堕落には“いちびるな”という程度の批判では済まない。

「地方分権」や「霞ヶ関解体」という彼らの言動を報道するマスコミが、今度の衆院選の本来の争点を国民の目から逸らし、「小泉劇場」といわれた「郵政民営化」型選挙に導こうとしているのではないかというふうに見るのはオレだけか。
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2009-07-05 | 日常
きょうは町内会の清掃日。2つの公園の草刈から側溝の掃除など、約2時間半の作業からいま帰ってきてシャワーを浴びてほっとしているところ。

作業に使う道具類は一応町内会で揃えてあるが、なんでか一番よく使う鎌がない。使える人が少ないのか、使った後にメンテナンス(研がなければならない)しなければならないなのか。

幸い?小生、農家の生まれで鎌はそこそこ使えるので、きょうもmy鎌持参で草刈、植栽の刈り込み等で大活躍?そんなに張り切らなくてもいいのに、ついついその気になって汗びっしょりに。

今でこそ、いろいろな農作業が機械化されてきているが、数十年前では子供でも鍬と鎌を使えないと、農家の子供としては“失格”だった。小学生の高学年になるとほとんどの子供はこの2つの道具を使って、一家の戦力として働いたのであった。

人類が狩猟生活から農耕に進化する時の最初に必要だった道具が大地を耕す鍬であり、作物を刈り取るための鎌だったそうである。そのような時代から今日まで人類は営々としてこの2つの道具を使い続けてきたのである。

鍬や鎌を使えると威張ることでもないが、人類であるオレは少し誇りを感じる。
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