30日に、現毎日放送報道局番組センター ディレクターの斉加尚代氏の講演を聞く機会があった。
話は、自身が製作に携わった「MBS 報道 ドキュメンタリー映像´15(2015年09月27日深夜放送)『なぜペンをとるのか~沖縄の新聞記者たち~』を製作して」という題だった。
「沖縄の新聞2紙を潰せ」と攻撃を受ける中、一貫して沖縄県民の立場からペンをとりつずける「琉球新報」の編集局記者を取り上げたものだった。
昨今、商業大手新聞の読者減がつづき、読者の購読料より企業(それも大企業の)広告収入の方が多くなる中、大企業に厳しい記事が書けなくなってきている状況に置かれている。
新聞の紙面を見ても、半分以上が企業広告で占められていて、直接紙面を作ることに携わ人員よりる広告取りに必死になって動き回る社員が多くなり、社内には、広告取りに携わる社員の方が紙面つくりの人たちより「幅を利かす」という状態があると言われている。
斉加さんは「テレビ報道の職場環境」「評価のモノサシが変化」してきていて、権力の攻撃に対して「配慮や忖度」、「報道職場が委縮」していることが非常に心配と、実感を込めて語られた。
そのうえ、番組作りについて「経済に左右=経費削減」「過酷な労働環境」「コンプライアンスの要請」「視聴率」という環境の中で、ますます番組つくりが厳しくなってきていると述べられた。
そして最後に、「いま、私たちジャーナリズムに求められるものは「どこを向いて仕事をするのか、誰のための公平性か」が問われていると語られた。
ジャーナリズムの置かれている厳しい状況の中で良心と正義感を持って頑張っておられる方たちに敬意を表したい。