風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

生い立ちの景色55・・・背広を誂える

2018-10-07 | 生い立ちの景色

1965年12月。
やっと俺も成人に。市からも成人式の案内が来たが、俺は会社で行われた成人式だけに参加した。なんで、市の式典に行かなかったかというと、高校を卒業して有名企業に就職したやつとか大学に進学したやつらと顔を合わすのが嫌だったからだ。
 俺は、年末ボーナス全部を当て込んで成人式用の背広の誂えを、職場に時々来ていたテーラーのおっちゃんに頼んだ。おっちゃんがメジャーを当てながら「兄ちゃんは足も長いし、ええ体してしてるから、かっこええ背広になるで」と言ってくれた。色は紺で、生地はおっちゃんの勧めた、少しいいものを。デザインはシングルだったが、前開きの裾を丸くではなく少し角をもたせたものにし、ズボンは流行りのノータックにした。
 それから一週間ほどで仮縫いが出来てきて、年末には初めて誂えの背広が出来上がってきた。終業後、試着してみた。体にぴったりして、着心地が最高や。
おっちゃんは、両肩のところをちょっと持ち上げて、いつもの調子で「かっこえーでー!」と。俺もうれしくなった。
 家に帰って、早速、カッターシャツにネクタイを締めて鏡台の前に立ってみた。自分で言うのもなんやが、なかなかのもの。これで成人式も万端や。


こんな心得で!

2018-10-07 | 日常
台風25号一過の青空の下、ぶらっと(京都府)長岡京市・柳谷観音辺りまで出かけた。
山は、先の台風24号による強風によって倒木や枝折れなど相当の被害を受けていた。
柳谷観音(楊谷寺)境内の樹木や灯篭などにも被害が出ていて、寺では、寄付のお願いが掲示されていた。
辺りの景色は、まだ、紅葉もこれからという感じでした。
境内の桜に「花は半開きを看、酒は微酔に飲む」(写真)の札がありました。(名前部分は加工)
なかなか粋な句で、しばらく眺めていました。心にとどめておきたいものです。