風・感じるままに

身の回りの出来事と生いたちを綴っています。

生い立ちの景色56・・・初めての宝塚観劇

2019-04-03 | 生い立ちの景色

1966年、俺も二十歳になった。

村の青年団は数えの15歳の1月に入団することになっていたので、俺は2月の誕生日前の14歳で入っていた。退団は25歳だから、団の中でも中堅とういうところだった。対象者の全部が入ることになっていたが、入っていない人もいた。

青年団は毎月、村の集会所で「集会」をやっていた。全員参加となっていたが、毎回、だいたい3分の1くらいの参加だった。「集会」日は一応定例化していたが、恒例として、その年の新入団員が当日の夕方に、「今晩、青年団の集会ですよって、よろしゅうお願いします」と各団員の家を周ることになっていた。集会は、議題がある時はそれを話し合うが、特段、議題のない時は世間話で終わっていた。

年間の主な行事は、正月2日の新入団員の歓迎と退団者への慰労を兼ねた新年会、そして春の花見と秋のだんじりの掃除と祭り当日の提灯立てくらいだった。ある時の集会で、一人の団員から「花見以外にもっと違うレクレーションを」という話がでた。その意見を言ったのは、村で土建屋をやっていた家の女の人で、ちょっと上品なお姉さんだった。なんと、「宝塚歌劇を観に行こう。私が案内する」と言うのだ。みんなからは「ェーッ!」という声も聞かれたが、「とりあえずいっぺん行ってみよう」となった。

宝塚歌劇といえば「女の人が男役もして歌って踊る」くらいの知識?しかない俺だった。当日は、案内役の人以外は、みんなも初めてだった。劇場周辺はしゃれた街だった。入場者は女の人が多かったので、ちょっと恥ずかしい気持ちがした。

上演は二つあり、物語の筋はよくわからなかったが、その華やかさと清らかな歌声にびっくりした。帰り道、案内してくれたお姉さん団員の顔がいっそう華やかになっていて、えらく綺麗に見えた。

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