母の店があり、
近くに通う幼稚園があった僕には、
自由が丘は幼い日の思い出がある街だ。
といってももう50年近く前の話だ。
当時の様子を今に残す場所は年々なくなっている。
昨日、久しぶりに行ったら、
駅周辺の再開発のため、
女神通り沿いの商店街およびその周辺の店が、
すでにすべて閉店し、移転していた。
商店街の入口にある「一誠堂」は、
宝石や高級時計の店だ。
幼稚園生の頃の僕は店頭に飾られたエメラルドを見て、
「大きくなったらお母さんに買ってあげる」
と言ったそうだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/1a/b99140f707d51b7cd9c9232487425b29.jpg?1676164546)
商店街を進むとあるのは洋菓子の「モンブラン」
当時、「モンブラン」のケーキは僕にとって特別なものだった。
発熱し、食欲がなくなると、この店のシュークリームを買ってきてくれた。
蓋のように開けられるシューで、
中に詰まったカスタードクリームだけすくって食べた。
扁桃腺が腫れて痛む喉でも、甘く冷たいクリームは、
すんなり食べることができた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/54/f8/dc36652401a41d604eae85f4ea15a4da.jpg?1676164549)
もう50年も前の話だ。
街が変わるのも当然のことだ。
この機会に思い出すことができてよかった。