山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

持続可能な食にびみょーな食い倒れ

2006-12-04 | 森林環境教育

昨日名古屋大学の環境総合館を会場に「持続可能な教育のための10年」に関するシンポジウムがありました。私は裏のお仕事もあり、交流会だけ参加。


ここでは、伊勢湾でとれた新鮮なツメタガイや、友達のヒロッチが作った不耕起無農薬米、それと日間賀島のタコを一緒に炊いた御飯、etc.もうひとつ友人のS君のこだわりの「名古屋コーチンのひきずり」が出されました。みんなおいしかった。

ひきずり、とはすき焼きのことだそうです。
写真はそれなんですが、これは「よくない例」です。こんなに食材をいっぱいいれたらすき焼きにならない、と後からS君は残念そうでしたが、あれだけ人数が多いとしかたありませんね。「とにかく若者を食わせなきゃ」で感じでした。

煮えるや否や、若者たちは鍋まで食べそうな勢いで箸をつっこんでました。
せっかくの名古屋コーチンもあまりありがたみを分かってもらえなかったかもしれません。

そういう上等なものは、おなかのすいていない人に食べさせた方がいいのか……。
鶏肉以外にも、尾張自慢のねぎも入り調味料もいいものでした。
ざらめなど、学生たちは見たことなかったらしいです。

交流会といいながら、みんなひたすら食べてました。


根上がりの木

2006-12-04 | めぐる季節と自然

キコリン、コメントありがとうございます。

岩だらけの山に木が生えているのは、「夕立山森林塾」で一緒に行った恵那市の笠置山でも同じでしたね。ヒノキの実生の天然木や広葉樹が、大きな岩の上にたくさん生えていました。

植物が育つのに土壌が厚いほどいい、という見方は誤りです。多くの植物が、土壌のあまりない場所を生育適地としています。土壌の中にはいろいろな菌類やバクテリアがいて、それがさまざまな働きをすることもあるし、水分条件もあります。 大きな岩の表面には水が流れるだけでなく結露もあります。岩自体も水分を持っています。岩の上のコケもスポンジの役割をして、種子の快適なベッドになります。

 特にヒノキは岩の上によく生えます。だから尾根筋にも生育できるのです。そもそもヒノキ林の中に20cm以上のものを差し込めること自体をあまり前提にしない方がよいと思います。

私はこれらのことを、京都の高田先生から教わりました。今年の秋セミナーでみっちり勉強させていただきました(中にはまちがって理解していることもあるかもしれません)。

針葉樹の切り株や倒木上も、多くの植物の実生更新に適しています。生育を妨げる菌類が少ないため、土の上よりも育ちやすいのです。多くの針葉樹は、倒木更新、切り株更新を自然の更新の基本パターンにしているようです。 切り株に生えた樹木は、後に切り株が腐るので「根上がり」になり、さらにその木が倒れると、そこに次の木が生えて、もうひとつ高い根上がりができます。私が知る中でこの様子が最もよく見られるのは、岐阜と長野の県境の野麦峠です。

根上がりについては、尾瀬のクロベの例で、前述の高田研一先生が『尾瀬の森を知るナチュラリスト講座』に詳しく書かれています。これは専門的なことが大変分かりやすく書かれ写真も満載のおすすめの本です。

 森林インストラクター仲間にもここのヒノキ林に行きたい人がたくさんいるので、来年は必ず見学を企画します。今年は秋まで通行止めで入れなかったのです。