栄のオアシス2階からセントラルパークにかけて、月1回「街の植物観察」という講座を行っています。
いわゆる「雑草」の観察です。探してみると思いがけない草が生えていたりして面白い。都会の特徴として外来種が多いと思われていますが、意外に昔からおなじみの在来種も多くあります。5月には30種類以上が見つかりました。
この日は雨だったので、オアシスの植え込みや花壇のわずかな地面を見ただけですが、次のようなものがありました。(外)は外来種。(花)は咲いていたもの。
ノミノフスマ、コニシキソウ(外)、ノボロギク(外)(花)、ホトケノザ、タネツケバナ(花)、タチチチコグサ/ウスベニチチコグサ(外)、エノコログサ類、カタバミ、ヒメムカシヨモギ(外)、コスミレ、オランダミミナグサ(外)、ツメクサ(外)。
12月だというのにタネツケバナが咲いていたのには驚きでした。
また、11月の観察のとき、タネツケバナの芽が無数に出ていて、それが大きくなっていました。どの草も、地面にはいつくばって横向きに伸びているか、ロゼットであり、秋に芽を出して冬越しする植物の多さに改めて驚きました。冬の寒さの中でも、弱い光を吸収してせっせと働いているのです。1月、2月をどのように過ごすのか、観察するのが楽しみです。
クスノキとカエデの定点観察も行っています。クスノキは冬芽がぐっとふくらんでいました。果実の時期が終わったので、今度は栄養を芽に回しているものと思われます。
カエデ(イロハモミジ系園芸品種)は、6月ごろから果実ができ、意外にしぶとく枝についていましたが、先月から今月の間についに飛翔を始めたようで、大部分が落ちていました。落ちた果実を探してみたところ、オアシスの2階の届く範囲の一番遠い25mまで飛んでいました。舗装の上や芝生の上をじっくり探すと無数の果実が落ちていますが、探さない限り決して気づきません。
雑草をじっくり見ることは普通はあまりない体験で、ルーペで小さな花を見ると、その可愛さや不思議な形に驚き、感動ばかりです。参加者の皆さんは2回目の講座から全員ルーペを買って持参され、雄しべや葉の裏の毛などを観察し歓声を上げています。講師の私も毎回驚いています。
とにかく楽しい講座です。なのに受講者が少ないんです!
(つづく)