山里ひぐらしの小径

木曽路の入り口、岐阜県中津川市から
人と自然とのかかわりをテーマに、山里、植物、離島など。

東海丘陵湧水湿地群 ラムサール候補地に

2012-05-10 | 植物

まだラムサール条約に指定されたわけじゃないけど、
おめでとう!という気分。

愛知県から岐阜県にまたがる丘陵地帯(東海丘陵)に
極めて貧栄養の湧水湿地群がある。

我が家のすぐ近く(岐阜県中津川市)の「坂本のハナノキ自生地」もその一つ。
うちのほうでは、低い丘陵はほぼ全部湿地になっているといっていいぐらい、
山の中や山すそにミズゴケなんかが生えています。
我が家も、湧水湿地の真っ只中に建っているようなもので
水はけが悪い。玄関前の水たまりに、ミミカキグサ生えてくるんじゃないかと思うほど
(なかなか生えてくれない)。

これらの湿地には、この地域にしかないシデコブシ、ハナノキ、シラタマホシクサがあるほか、
樹木ではクロミノニシゴリ、サクラバハンノキ、などなど
草本ではトウカイコモウセンゴケ、モウセンゴケ、ホシクサの仲間、イヌノヒゲの仲間、ハルリンドウなどなど、
いいものがたくさんあります!
いいものって、極めて個人的な好みですけど。

上の写真は愛知県尾張旭市のマメナシ。東海丘陵の湿地の愛知県にしか今はないものです。マメナシの花


このあたりの湧水湿地を、私はこれまで勝手に「東海丘陵湿地」と呼んでいた。
決まった名前がないのです。
東海丘陵にある湿地とか、東濃地方の湿地と言われている程度。
東海丘陵という名前すら、植物や自然にかかわっている人しかあまり知りません。


今回候補となったことで
「東海丘陵湧水湿地」のような呼び名が定着してくれればそれだけでもうれしい。
名前を付ける、とか、名前が分かる、ということは、人々に認識を持ってもらう上で、
極めて重要なことだと思います。

道端の雑草も、名前が分かると急に見えるようになってくるものです。

NHKのニュースでは「愛知県の東海丘陵湧水湿地群」といわれていたけど
岐阜県も含めてもらいたい。岐阜県東濃地方には無数にあるんですから。

山里ひぐらしの小径2007年5月(東海丘陵要素の植物いろいろ)
中津川市のたいせつなため池
東海丘陵要素の植物の宝庫を散策
念のため断っておくと、ため池は東海丘陵湧水湿地ではない。
東海丘陵に独特の植物を東海丘陵要素の植物といい、
ため池の周りにも東海丘陵要素の植物がよく生えているということである。


愛知県尾張旭市城山公園のマメナシ 生えている状況。
手前はため池。ため池のほとりも湿地となって、シデコブシやクロミノニシゴリがよく生えます。
ため池の周りに白と緑色でずらっと生えているのがマメナシ(アイナシを含む)。一番上の写真はこの隣のもう一つの池のもの。


愛知県小牧市のマメナシ


岐阜県屏風山の湿地の周りの山


岐阜県屏風山の黒の田湿地


ハルリンドウ 岐阜県屏風山


ミズギボウシ 岐阜県屏風山


愛知県いもう湿原

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『里山の生態学』広木詔三

東海丘陵と湧水湿地について
私の知る限り最も分かりやすく書かれている。
東海地方の自然とかかわる人には必携。




新緑の中、風が渦を巻いてた

2012-05-10 | めぐる季節と自然
西向きの部屋の窓から、一面まぶしいようなコナラの新緑。

西側の雑木林から、
アベマキの雄花序がひっきりなしに、
風にのってふわーっと我が家のほうにむかって流れている。

雄花序というのは、雄花がずらりとついた7,8センチのひものようなもの。
花が終わると木から落ちてくる。

よほど軽いのか、ほぼ真横に流れてきた。
鮮やかな新緑をバックに、風の動きが見える。
ときどき、ぐるーんと大きく渦を巻いている。

雑木林に囲まれた空間で、風ってこんなふうに
渦を巻いていることがあるんだと分かる。
普段雄花序なんてないから、気づいていないだけ。

各地で荒天だったとのこと。
うちも、風が渦を巻いていたとき
バタバタと大粒の雨っぽいものが落ちてきた。
空は明るく日差しも見えていたのに。


今日はちょっと調子が悪いので断食中。




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