雲低く鉄砲百合の反抗期
<反抗期/てっぽうゆり>
てっぽうゆりの清楚な白さがきわだつ雨の中休み。よく見ると重い曇り空にさからう
ように花はあちこちにそっぽを向いて咲いている。てっぽうゆりにも気にいらない事
が有るんだ。
梅雨休みさるとりいばら空へ空へ
<さるとりいばら>
あのすばしっこいお猿さんでも絡めとってしまうというほど鋭い鈎爪
を持っている。 とても芸術的なツル植物で秋に赤い実をつけ生け花
などに使われることも。
この若葉にもち米の粉を丸めたものに小豆のあんをいれ柏餅風に蒸し
あげただんごを祖母がよく作ってくれた懐かしい記憶がある・・・
微睡の枕辺流る雨の音 今朝はウォークをさぼれる至福
<庭石菖/にわせきしょう>
うつらうつらとあの世とこの世を行き来する不思議な目覚めの時間。
外は雨の落ちる雫の音と時折通る車のタイヤの湿った音。
「・・・起きなくちゃ あ、雨や・・・今朝は歩かんでええんや・・」
微睡(まどろみ)の最中なまけものの自分がほくそ笑む。
花壇は今時分ご機嫌やろな・・そーや水もやらんでええんや
道端に咲いてる庭石菖の濡れた紫の小さな花がふとまぶたに浮かんだ。
雨上がり庭のトマトの脇芽摘む
<ミニトマト>
久しぶりの雨、うれしい限りだ。花壇に一株だけ植えているミニトマトも
雨を浴びてうれしそう。 毎朝4か6粒の赤い実を収穫する。園芸の先生に
「トマトは脇芽を取ってやらなくちゃだめですよ」と教わり、 実が沢山
なったら得やん という貧乏性をくつがえされた。雨上がり脇芽を摘むと
あのトマトの青臭いような独特の香りが辺りに広がった。
母の胸に抱かれ眠るかたちして 白きみどりごまだ夢の中
<白きみどりご/たいさんぼく>
いつもは高く見上げる泰山木のつぼみが目の高さに有るのを見つけた。
すぐ家へ引き返しコンパクトカメラを手にその木の所へ帰った。
なんと、すでに花は丸いつぼみがほどけ始めていてのぞきこむと花芯は
まだスヤスヤと眠っていた今朝。
瑠璃色の耳の飾りの形して 咲くフラミンゴ花美しき
<ネグンドカエデ:フラミンゴ>
ウォーキングの途中に咲いている私にとっては不思議な花。
とにかく花の形が面白い名前の由来は初雪草みたいな斑入りの
葉っぱから来ているようなのだが・・・
気がつけば合歓の薄紅揺れるころ 青田に風の渡りくるころ
<合歓/ねむ>
バタバタとした日々が過ぎやっとこさ周囲の風景に目が行く。
早いもので、冬眠してから半年も過ぎてしまった。
気が付くと天の川の土手の「合歓」がうす紅の花をつけ日ごと強さを
増す日差しを「まあ、まあ」と和らげている。