突然雪が降ったり、雨になったり不安定な天候は春の予兆。それでも植物たちは
近づく春に備えて確実に季節を読み取っている。ゆきやなぎのつぼみも丸みを増
し少しの太陽のぬくもりで弾けようと雪のすきまから伺っているようだ。
きさらぎの空はは雪色ゆきやなぎつぼみの丸み春を誘う
<水彩-4F水路>
ホルベインのR画用紙170Kに透明水彩絵の具で彩色。水彩紙は使う前に
舌の先でチョンと触れるくせがある。これは紙の吸込み具合をみるため
で良く吸い込む紙は滲みやすく、吸い込まない紙は乾きにくい。
舌の先が吸いつくような感触があると吸込みの度合いが強い。吸込みの
弱い紙はドーサ(ニカワとミョウバンをまぜた薄い液)という弾きどめ
で加工してあり、濃さの加減で強弱が調節できる。水彩紙・和紙も同じ
処理がなされ使い分けられている。書道の青墨のにじみの効果を出す時
ドーサの弱い和紙を使用したりする。
<黒い猫>
先のちびたえんぴつで
空に残った半分の月をぬりつぶす
カサカサ カサカサ
塗ムラのすきまから 2本3本と
銀色の光が漏れるものだから
屋根の黒猫は 今夜も眠れない
2010・9
<二足で三文>
何年か前のこと、初めての海外旅行の前日に、母さんに「2束3文ので
いいから綿の白い靴下買うといて」と頼んだ。
母さんは「2足で3文って1000円か?」と・・・
夜「3足で1000円のあったんで買うてきたよ!」
「・・・ん?!ま、いいか !」
後日、ツィツターにこの事をアップしたら京都のフォロアーさんから
「そらよろしぃな早起きは3文の得って言いますやろ、 毎日1000円
ただけるんやったら早起きもしますわな」とメッセージが・・・
それ以来1000円は3文と心の中で決めている。
この写真のくつしたいくらになるんやろ・・・
<ひとひらの雪>
雪ははかなく美しい、色も結晶のひとつひとつも。
その日はどうしても抜けられない仕事で他出しており、
その時刻が刻一刻とすぎていった。
その人の旅立ちの日もわた雪が舞っていた。(追憶)
時よ止まれ 今美しき一瞬(とき)なれば手面にうけるひとひらの雪