松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

一日生きれば体も疲れる

2005-10-20 | 日常雑記-暮らしの逸話(エピソード)-
今月に入ってから火・水に各2時間、
土曜は90分間を2コマ練習しています。
せっかく練習する機会を与えてもらっているので
気持ちも新たに参加してます。

普段なかなか見直したくても
見直せないでいた姿勢や呼吸などを
しっかり練習できるのが何よりもうれしいです。
改めて自分の体の言い分に耳を傾けながら
こちらの意思を伝えつつ、
お互いの折り合いどころを探しながら
練習している感じです。

先生から新たな要求が加わってくると、
新たな意識の種が蒔かれていることを感じます。
いままでと違う感覚が生まれてきます。
と同時に新しく意識が通い始めた部分にも
ある種の反応がでてきます。
それは筋肉痛であったり、汗のかきぐあいだったり、
緊張感との葛藤みたいなものだったり。

ちょうど3週目を迎えたところで、
腰が今までと違う感じになっているのに気づきました。
今までとは違う姿勢でちょっとした違和感を感じます。
“え?やり過ぎたのかな”と思ったのですが、
自分で感じる腰回りの感覚は
表面的にはあまり緊張感がないような
気がしています(いつもはもっと硬い感じで
筋肉サポーターを巻いているみたい)。
体の前で両手を上下に開いて
背骨を上下に伸ばすようにすると
ポキポキと鳴って調整ができるくらいの柔軟性は
あるみたいなのです。

もしかすると骨盤の巻き上げを励行していることで、
今までさぼっていた筋肉が
ちょっと疲れてきたのかもしれません。
そういえば整体を久しく受けていません。
整体は体のケアだけでなく、ソンの種ももらえるので(笑)、
体だけが求めているわけではありません。

養生とか導引といえば
古くさい響きに聞こえるのかもしれませんが、
たとえ言い古されたような言葉でも
中身はつねに新しいと私は思っています。
先人の智恵が
すべて正しい訳ではなかったとは思いますが、
少なくとも現代にまで伝えられ残ってきたものは、
多くの人達の実証に裏打ちされているのでは
ないかと思います。

例えば農事暦には
今日やるべき大切な農作業が記されています。
これってすごいことだなと思います。
つまり、そのときにしかできないことだけ記しておいて、
あとは裁量にまかすみたいな感覚。
自然の仕組みや変化を見極める能力がなければ
できないことだと思います。
昔の人は外せない決まりごとと自由裁量との
バランス感覚を持っていたということでしょうか。

ところが、いつの間にか人は
目先のことに気持ちを奪われ出して、
足下を固めることが足りなくなってきてしまったのかも。
一日の労は一日で足れりというのは
そういうことだったのかなと思います。

一日生きれば心も体も疲れるのです。
ということで明日は「整体の予約をとる」と
記しておこうと思います。