松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

集中と緊張

2006-04-06 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
この頃ことあるごとに思い到ることが
あるのだが、
それを整理してまとめることが
なかなかできない。
何となく急かされたり急ぐことをしたくない感じ
とでも言えばいいのか、
どうもぐずぐずと、はっきりしなくなるのが
私的春モードみたい。
そういう事情もあってか、つくづくと
無駄に緊張しているのは損だよなと感じている。

しかし、これはなにも緊張感ゼロを目指せ
ということではない。
あくまでも自分にとって無駄と思われるものを
なるべく少なくしたいものだな
ということなのだ。

意識導引という導引法は、
体の部位ごとに意識を集中した後、
その集中を解いてゆるめることを繰り返しながら
全身をゆるめていくもの。
このとき意識を集中させる部位には
ある種の緊張感を感じる。
意識で何かが集まってくるような
一点に集中させるような感じがある。
その後、集中を解くと
ふわ~っとゆるむような、広がるような、
人によってはその部位の重たさみたいなものを
感じたりするようだ。
いわゆる脱力するような印象。

ただし、われわれが日常行っている
脱力と少しばかり違うのは、
ある一定の姿勢(基本姿勢)を保持して
崩さない状態で脱力する点だ。
自然に脱力したラクな姿勢をとった場合、
ほとんどの人がアゴを前に突き出した
猫背姿になるものらしい。

しかし太極導引練習法のうちの意識導引では
背骨を上下に引っ張り合うようにして
背骨を真っすぐに伸ばすようなイメージで姿勢を整える。
慣れないうちは
この姿勢を保つことだけでも緊張してしまうが、
慣れてくるにつれて
非常に都合のいい姿勢であることがわかってくる。

一見矛盾するようにも見えるのだが、
緊張を解くにもある程度の緊張は必要なのだ。
必要な緊張と不要な緊張の違いが
少しずつ自分の中でわかってくるようになるらしい。
ゆるんだ状態がわかってくるにつれて
緊張状態の理解も深まる。
ゆるむことを覚えることでさらに新たな緊張に気づく。
その繰り返しのようなものかも。

いま、ぼんやりと感じているのは
必要な緊張とは集中力のようなものなのかなということ。