松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

太極拳大会に参加しました(1) 個人の部

2008-02-06 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
教室を運営している会社がある渋谷区で
先日(2月3日)区民太極拳大会が開催されました。
教室で参加するようになってから
今年で6回目となります。

冬と春との節目となる節分に降る雪、
ひじょうに寒い体育館。
ウォームアップの時間も
十分にもらえぬまま
個人部門競技が始まりました。

ちょうど3月に全国大会の
東京予選会が控えていることもあり、
この大会を調整目的に参加している人も
少なくありません。
例年ですと、それなりの緊張感が
漂っているのですが、
今回ばかりは「寒さ」という
共通利害の一致をみているからなのか、
表演順を待つ間も
「寒いですね~」と口々に言い合いながら
なんとなく被害者同盟みたいな
連帯感にも似た雰囲気がありました。

過酷な条件下にあるときにこそ
優しくなれるといいな~
と思いながらも
冷静に考えてみれば
これは当然のことなんですよね。

なぜならここでイライラしたところで
暖かくなるわけでもないし
むしろ無駄なエネルギーを消耗する
ことになります。
自分の表演順が回ってくるまでは
エネルギーを温存したいじゃないですか。

太極拳を通して身についてくる
ものの見方や考え方って
こういう面でも活きてくるのかなと思いました。

無駄な争いや心理面、とくに感情的な起伏を
なるべく生じさせない方向を、
自然に探り出すようになるみたいです。
その意味では、その場の雰囲気にも
すんなり溶け込めたし
自らもそういう状態を求めて
働きかけていたような気もしたり。

体はかたかったですが、
精神的には落ち着いてましたね。
これも進化の過程の一コマかもしれないと
プラス思考で評価しました。


個人の部は、いまの自分のできることは
やったんじゃないかなぁ。
寒さで鼻水を飛ばしたりしたのは
ご愛嬌ということで(笑

終わってみれば
あそこをもう少しとか、思わないこともないですが
それはもう過ぎたことなので。
次に同じことをやっても
それはあのときと同じではない別物ですから。

いつも一回ぽっきり。一期一会です。
もう一回っていうのは、
たぶんないんだろうと思うのです。
でもその代わり
チャンスは何度でも巡ってくる。
いのちも人生も
きっと円いものなんだろうなと思えるような
そんな一日になったような気がします。