松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

太極拳大会に参加しました(2) 集体(団体)の部

2008-02-07 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
午後からは集体(団体)部門となります。
こちらには2演目参加しました。

ひとつは8式太極拳。
こちらは基本科生が主役の演目で
専科生がサポートする形をとります。

初参加となる基本科の3名は長い人でも半年未満、
短い人は去年の12月から始めたばかり。

うちの教室は先生の方針もあって
なんでもやってみようが信条です。
ですから、一応は全員に
やってみませんかと呼びかけます。
参加するかどうかは各自の意志で決めます。

はじめて間もない人ならば
尻込みしちゃっても当然なんです。
今年はまだちょっと無理だから
来年を目標に練習します
というのも、すごく自然な考え方だし
ちょっとおもしろそうだからやってみようかな
というのも、すごく自然な心理です。

で、今年の3名は後者だったわけですね。

もちろん経験者や専科生が
一緒に出ることになっていましたから
それなりの安心感もあったとは思いますが、
しかし出ると決めたからには
それなりの練習内容にはなるわけです。

本番は見事なものでした。
始めてから半年にも満たない人達が出ているとは
わからなかったと思いますよ。
後でビデオで見ましたが
動きも揃っていたし、落ち着いていたし
大したものですね。



もうひとつの演目は専科生による18式陳式太極拳。
今回は仕事でどうしても出られない1名をのぞく
5名の構成ですが、その中の1名は
今年はじめて陳式を練習したという陳式若葉さん。
果敢にも初の個人競技部門に
はじめての陳式で挑戦するくらいガッツのある
メンバーですが、
練習歴も長く陳式も既に何年かやってきている中に
ひとり混じるとなれば、
それなりの心理的負担も抱えていたことでしょう。
(本人に聞いてみたところで「そんなものはない」としか
言わないようなタイプなんですが)

また全員揃った状態での練習は数えるほどしかなく
さらに個人競技用の練習と並行するために
集体練習に割ける時間は限られていました。
本番直前の練習でも
さらっと1回通しただけで
あとは自分達を信じるというか
肚が据わるとはこういうことなのかしらん。


ビデオで見るまでは
自分達の動きがどのようになるのか
まったくといっていいほど想像できませんでしたが
まぁビックリというか
なかなか好いかも。


実は本番時にこれまでにない不思議な体験をしていました。
一体感というのともちょっと違うような
5人が融合してしまったかのような感覚と
確かに個々である感覚とが
同時に存在しているとでもいうような。

主体的に動いているんだけれど
何ものかに動かされているような
個体でいながらパーツでもあるような。
うーん、言葉では言い尽くせない感覚ですね。
集中力がある段階に達すると何かに化けるんですかね。

例えば参加できなかったメンバーも
一緒に参加してる気配を感じるわけです。
もちろんその場にいるわけがないんですけれど
いても全然不思議じゃない感覚として
自分の中に描いていたのだろうと思いますが。
変な話、表演しながら感動してたようなところがあります。

最後の包拳礼をするときには
自然に感謝の気持ちでいっぱいになってました。
こんなことはいままでなかったことです。