松静自然 -太極拳導引が教えてくれるもの-

松静自然とは落ち着いた精神情緒とリラックスした身体の状態をいい、太極拳導引の基本要求でもあります。これがまた奥深く…

肩ってどの部分をいうの?

2005-04-04 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
久しぶりにちょっと時間がとれたので、
このところご無沙汰しているサイトを訪問。
すると、pantayaさんが「肩を一段落とす」をアップしていました。

肩については、常々疑問に思っていることがあります。
ひょっとして今さら他人に聞けない部類のことかもしれない
と思いつつ公開してしまっているのだけれど…(笑)。

それは「肩」というのは
いったいどの部分をいうのだろうか?というもの。

肩といえば無意識のうちに首と肩関節の間の筋肉
(僧帽筋や三角筋)一帯を意識するのかしらん。
でも骨格的には肩関節が肩ということになるのでしょうか。
肩が上がるのは肩関節が持ち上がっているのだし、
肩がこるのは首と肩関節間の筋肉。
肩を回すときは肩関節を中心に動かしています。
先日など、知人が「肩口が痛い」などと言い出してビックリ。
話を合わせるためにわかったようなふりをしていたけれど、
肩にも口があったなんて(笑)。

たとえば肩の力を抜くといわれたら、
いったいどこを意識してどの部分の力を抜きますか?
けっこう暗黙の了解のようにして普段使いしている
言葉なんですが、もしかすると意外な落とし穴があったりして。

実は以前にも同じようなことがありました。
その部位は腰です。
腰を回すという時に、
私はウエストあたりを意識して回していました。
ところがほんとは骨盤までを含めた
もっと広い部位をさしていたのでした。
この事実を知ったときの驚きといったら…。

ということで、肩を一段落としたいのはヤマヤマだけれど、
「肩ってホントはどこなのよ?」と、ひとり呟いておりました。
(まあ、だいたいはわかっているんですけどね、
ひょっとして腰みたいなことがないとも言えないので…笑)

続・シッポ報告

2005-04-02 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
「シッポでお稽古」の第2弾レポート。
日によって体調が異なるように、
シッポの状態もその日その時によって
いろいろと変わってくるようだ。
仮想なのにほんとに違ってくるのがおもしろい。

最近は日記にシッポのイメージを一言残している。
先日などはなんと、ブタのシッポ!
基本的にはシマリスのシッポのようなフサフサ系
もしくはオナガザルのような
長めのシッポをつけているのだが、
体調によってシッポが立って邪魔になったり
短くなってしまう。
ひどくなるとシッポをイメージできなくなる。
このようして自分なりの“シッポ・チャート”が
できつつある。

最近までに気づいたことをまとめると
次の2点になるかと思う。

 その1.シッポをつけだしてから(おかしな表現だけど)、
 重心が下腹にとどまるようになってきたみたい
 (下半身というと下肢まで含まれそうなので、
 下腹というのが一番近いような気がする)。

 背骨を牽引するイメージが強くなったためなのかは不明。
 また、重心というのが適当なのかもわからないが、
 何となく“重り”のようなものが
 そこにあるような感じがしてきている。
 疲れていたりすると体がフワフワした感じがするので、
 そういうときはこの“重り”が感じられないのだろうと
 推測している。


 その2.シッポイメージがあると、
 股関節と膝を曲げるときも姿勢を安定させたまま
 下げやすい。

 骨盤の巻き上げができていて
 股関節がいい具合になっていると、膝を曲げたときに
 太腿の前後にあるそれぞれの筋肉が
 伸び縮みしている感じが伝わってくるようだ。
 股関節がうまく曲げられないままで姿勢を下げると、
 膝が前に出てしまったり重心が下腹から足首の方へと
 下がっていってしまうような気がする。
 そうすると足を踏ん張って支えているみたいな感じで、
 ちょっと印象が違ってくる。
 練習している時の印象では、
 重心はお腹あたりにある方が何となく都合が良さそう。
 といっても根拠があるわけではなく、
 単にその方が動きやすい気がするだけなんだけど。

そうなると次はカンガルー(のポッケ)かな?

続・肘を垂らす

2005-04-01 | 行雲流水-日日是太極拳導引-
前回の肘の使い方について、個人的体感を
もう少し詳しく説明してみようと思う。

手の動きは開く、合わせるの動作が主体になる
(回す、捻るという動きは
開合のバリエーションと考えることにしてしまう)。
まず基本的な考え方としては
手を足と同じように考えてみる。
つまり肩関節と股関節、肘と膝、手首と足首
というように、各部位を対応させてみる。

足の運びの柔らかさ滑らかさは
膝の使い方が大きく影響する。
また股関節は常にゆるんだ状態を保つことも大切だ。
そこで「肩関節を常にゆるんだ状態に保つことと
肘の使い方を工夫してみればいいのではないか」
という仮説をたててみたというわけだ。

膝を意識して動かすようにすると、
膝下部分は膝の動きで運んでいくような感じになる。
これを手に置き換えてみると、
肘を意識してまず動いてみるということか。

肘を垂らすというのは、
肘のある状態を言い表したもの。
自分で肘を意識して動いてみると、
肘を垂らす=肘を落とす、下ろすというような
ストレート感覚では
どうもうまくいかなかった。
今のところは肘関節をゆるめる、
つまり肘関節が伸びるような感じというのが
自分の中では一番フィットしている表現かもしれない。
例えば左右に開けば両肘関節のゆるみ分が
ぶら下がる感じ。
同じく手を上に上げれば
肘関節のゆるみ分が上腕部側に落ちてくる感じ、
下に下ろせば前腕部側に落ちてくる感じ、
とでもいうのかな。
もちろんこれらはややデフォルメした表現であって、
体感的には「やや重」みたいな感覚。
微妙といえばかなり微妙。

また、肘を意識していて
更に気づいたのは、上体の筋肉というか、
胸骨と骨盤にはさまれた
背骨だけ部分(胴周りの筋肉?)の影響を
強く感じるようになったこと。
ここがゆるめになると、
シッポや肘の感覚イメージが
わかりやすくなるような気がする。
たぶんここの筋肉は
背骨を直接支えるようになるので
何層にも重なり合っているところだと思う。
それだけにお互いをカバーしながら
動いているはずなので、
筋肉をひとつずつ丁寧に
ケアしてあげるような気持ちでいるほうが
いいのかもしれない。
疲れてくると
左の骨盤が上に引っ張られるようになるのも、
おそらく左側の筋肉が硬くなって
収縮してしまうからではなかろうか。
これもまた腰や背中の緊張感に影響しているかも。

何だか複合的になってきて
複雑な感じもするが、
どれもが関連していることなので
体感的にはあまり複雑というわけでもない。
体感も極論すれば
快か不快かみたいな次元のものだし。
それよりは日常の中で
こうした動作と体感を意識し続けることの方が
難しいと思う。
遊び感覚ぐらいの気持ちで
ちょうどいいんじゃなかろうか。