先程、ときおり愛読している公式サイトの【 プレジデント・オンライン 】の中で、
『 老後のためにケチケチしていると、むしろ早死にしてしまう
高齢者こそ浪費に励んだほうがいいワケ
~前頭葉の老化を防ぐためには刺激が必要~ 』、
と題された見出しを見たりした・・。
雑木の多い小庭の中で、古ぼけた戸建て住んでいる。
そしてお互いに厚生年金、わずかながらの企業年金を頂だいた上、
程ほどの貯金を取り崩して、ささやかな年金生活を過ごしている。
こうした中、私たち夫婦は経済的に贅沢な生活は出来ないが、
『働らなくても、何とか生活ができるので助かるわ・・』、
と家内がときおり、 呟(つぶや)くように私に言ったりする。
『そうだよねぇ・・』
私は苦笑しながら応じたりしている。
このような心情を深めている私は、今回の《・・高齢者こそ浪費に励んだほうがいいワケ・・》、
遅ればせながら学びたく、記事を読んでしまった・・。
この記事は、和田秀樹さんの著作の『[新版]「がまん」するから老化する』(PHP文庫)の一部を
再編集したもので、【 プレジデント・オンライン 】の『健康』の『高齢者』に於いて、
12月24日に配信され、無断であるが記事の大半を転載させて頂く。
《・・(略)・・
■高齢者は健康のためにもっと遊ぶべきだ
高齢になると「健康のために働く」だけでなく、
「健康のために遊ぶ」、「健康のためにお金を使う」ことも、大きな意味を持つ。
高齢者は、地味にするのが当然だと思われているから、
ややもすると「年金でカラオケに行くのは、いかがなものか」、
「年金生活者が、パチンコに行くとはけしからん」
といった非難になりがちだ。
しかし年金生活者は、しっかり遊んでくれたほうが、消費につながるし、
それ以上に前頭葉を刺激することになって、免疫機能も上がる。
つまり高齢者がお金を使って遊ぶことは、病気のリスクを減らすことにもつながるから、
「お年寄りは、もっと遊べ」と言いたいのである。
感情の老化を予防するには、歳を取るほど、強い刺激が必要だ。
脳の老化によって、弱い刺激には反応しにくくなることに加えて、
積み重ねた人生経験から多少のことでは、心に響かなくなるからだ。
仕事で経験を積んでくると、先が読めるから、そつなくこなせる。
失敗することもなくなるけれども、面白さは薄れてくる。
「先が読めてしまう」と刺激が失せるだけでなく、興味や関心までも色褪せる。
■歳を取ってからのギャンブルは、脳にいい
その対極にあって強力な刺激を与えてくれるのは、たとえばギャンブルだ。
予想どおりになって歓喜したかと思えば、手ひどく裏切られて悲嘆にくれる。
日本でも、外国人観光客を集めるために、
特区を作ってカジノを開けばいいというアイデアが続いているし、IR整備法も成立した。
私は、65歳以上に限るというアイデアもあっていいと思う。
若いうちにあまりギャンブルにはまるのは問題でも、歳を取ってからは脳にもいい。
勝った人の金目当てに、美女が集まるというのが、世界中のカジノの通例だから、
これも高齢者の若返りにつながる。
人生を長く生きてきたごほうびを与えながら、ちゃんとお金を使ってもらえて、
しかも、若い人たちから、羨ましがられるような仕組みを作ることがポイントだ。
ただし前述のように前頭葉が老化すると、
ギャンブル依存症にもなりやすいから、そのチェックも必要になるが。
■積極的にお金を使うことで、超高齢社会がうまくいく
資本主義社会とは、「お客さまは、神さまです」の社会である。
お金を使うことによって自己愛も満たされるし、よりよいサービスが受けられる。
お年寄りがケチだと、お年寄りを粗末にする社会になるし、
派手にお金を使ってくれると、急に接客態度がよくなる。
「あさましい」とか「不道徳的だ」とか顔をしかめる人もいるかもしれないが、
それが現実であることを直視したほうがいい。
新型コロナで、それが止まっているが、中国人が豊かになって、お金を使うようになって以来、
日本では、旅行会社から老舗旅館、百貨店、家電量販店のほか、
あらゆる業種が手のひらを返したように、中国人向けのサービスを用意するようになった。
資本主義の国で生きる以上、それが当たり前なのだ。
日本は、まだまだ高齢者が、お金を使わない社会である。
ここが、超高齢社会を考えるうえでの大きな問題点だ。
■生涯現役の消費者であり続けることの大事さ
お年寄りが、お金を使って遊ぶと、高齢者向けのビジネスも盛んになる。
生涯現役とは、現役として一生働くという意味だけでなく、
生涯現役の消費者であるという意味でもあるのだ。
消費者として、お年寄りが大事にされるようになると、日本は変わる。
たとえば「お年寄りは、お金を使う」というコンセンサスができてくると、
必ずテレビ番組の質も変わってくる。
つまりはこういうことだ。
お年寄りは、テレビを見ている時間が多くなるものだが、
いま作られている番組は、若者向けのものが、圧倒的に多い。
とくに民放で顕著なのは、スポンサーの製品やサービスを宣伝して、
消費者に買ってもらうビジネスモデルが前提にあって、
お金を出して買うのは、若者だと思い込まれているからである。
たしかに、お菓子とかラーメンやゲームなどは、若者しか買わないかもしれない。
しかし自動車のテレビCMに、若者に人気のタレントを使ったからといって、
その自動車を買うかどうかは、別の話だ。
若者のテレビ離れが激しいと言われるのに、いまだに若い世代が消費の中心にいるかのようだ。
■お金を使う消費者だと認識されると何が変わるか
自動車会社が、スポンサーのドラマでは、交通事故が起きないことはよく知られているが、
過剰なまでのスポンサーへの配慮から、
番組自体もどんどん浅薄なものになっていることも否めない。
高齢者になると、テレビを視聴している時間がどんどん増えていくのだが、
「時代劇の再放送しか、見たい番組がない」ということになってしまう。
日本人のテレビ視聴時間は、10代が最も短く、次いで20代、30代の順で短い。
年齢が上がるほど増えている。
アメリカでは2008年に、テレビ視聴者の平均年齢が50代に到達したという。
お年寄りのほうが、テレビに対する親和性も高いのだから、
お金を使う消費者であると認識されれば、
テレビ番組の質が向上することは、まず間違いない。
■タンス預金で、株を買えば前頭葉が若返る
少し横道にそれるが、高齢者が塩漬けにしているお金を動かすことで、
停滞している日本経済も蘇る。
というのも、2000兆円を超したと言われる個人金融資産の約6割を、
60歳以上の世代が持っている。
このお金が動かないことには、景気回復はありえないからだ。
ところが高齢者ほど、1円も減らしたがらないから、
いまの時期、株も買わないという人が多い。
「こんなときだから、面白い」と株を買ってみることで、
前頭葉が若返るのだから、それだけで投資分は取り返せるかもしれない。
高齢者が積極的にお金を使うために、
私は固定資産税だけでなく、金融資産税を設けるべきだと考えている。
銀行預金にしておけば、お金が減らないことに慣れているからだ。
先祖代々の土地に住んでいても、固定資産税はかかる。
大金の場合、使わないでじっとお金を寝かせているのに、まったく減らない。
利息には税金がかかるものの、元金は減らないから、
1円も減らしたくない高齢者は、資産を銀行で塩漬けにしているのである。
もし金融資産税を年に1%取ったとすると、
20年長生きしたら、20%目減りすることになる。
こうなるとお金を使わざるをえなくなる。
しかも銀行預金には、金融資産税はかかるけれども、
国債は金融資産税を免除にすると、無利子国債も出せることになる。
だから無利子になれば、いま膨大な額になっている国債費の一部が浮くわけだ。
大反対を覚悟で金融資産税を導入したほうがいいと思う。
個人金融資産2000兆円なので、金融資産税が1%なら20兆円である。
これは消費税の9%分に当たる。・・ 》
今回、敬愛している《・・高齢者は健康のためにもっと遊ぶべきだ・・》など、
多岐に及び、私は学んだりした。
もとより高齢者が、積極的にお金を使えば、
日本経済は活性化して、蘇(よみがえ)る、と私でも、
年金生活18年の中、幾たびに思い馳せてきた・・。
《・・金融広報中央委員会『家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査]』(2021年)
世帯主60代世帯の平均貯蓄額(保有金融資産額)は平均2427万円、
70代世帯で2209万円。
一方、中央値で60代世帯で810万円、70代世帯で1000万円。
ここには「貯蓄なし(金融資産なし)」と回答した人も含めたものなので、
「貯蓄あり(金融資産あり)」と回答した人の数値をみてみると、
60代世帯では平均は3014万円、中央値は1400万円。
70代世帯では平均2720万円、中央値は1500万円となります。
平均では「老後に問題なし」でしたが、
中央値でみると「老後は少々心許ない」というのが、
高齢者世帯の実情が見えてきました。
余裕のある暮らしを叶えられるのは、ほんの一部の高齢者だけ。
引退して悠々自適な老後、しかしそこには常に経済的な不安が付きまとう・・・
これが日本の高齢者のよくあるパターンなのかもしれません。・・》
このようなことを私は改めて学んだりした。
過ぎし数年前、麻生財務大臣が、
『国民に10万円を支給したが、殆どの人が貯金して、消費されなかった・・』、
と感嘆していたが、私は高齢世代の深情は理解していない御方、
と思ったりした。
私を含めて、程々の貯金があっても、いつの日にか大病、
或いは介護施設にお世話になる。
そして長寿社会の到来の中で、自身はいつまで生きられるのか・・
こうした老後資金の難題を秘めて、日常生活を過ごしながら、
貯金の取り崩しに慎重になっている。
このように思案している私は、ため息ばかり重ねたりしている。
そして私は、もとよりお金も大切なことであるが、
ささやかに潤(うるお)いのある生活を継続して、過ごすのが、