峰野裕二郎ブログ

私の在り方を問う

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何が彼らを動かすのだろう

2005年11月15日 | 絵本の読み聞かせ
昨日は、主に長崎県内で小中学校や図書館などで絵本の「読み聞かせ」をしているグループの交歓交流会に参加しました。
県内外から10グループ80名の方々が佐々町立図書館に集まりました。みなさん自費での参加です。昼食代も各個人の支払いです。
午前9時半から正午までは各グループの実演。みなさん、玄人はだしです。十分、お金の取れるパフォーマンスもありました。
昼食を挟んで午後3時過ぎまで熱心に意見交換が行われました。

清峰高校が甲子園・夏の大会で対戦した大阪桐蔭・辻内君は、契約金1億円でジャイアンツに入団が内定したようです。

プロ入りに際し、有力な選手には裏でお金が動くというのを聞きます。しばしば、ストーブリーグの話題になります。
かつて、八百長事件でプロ野球界を永久追放された元西鉄ライオンズの池永正明投手、下関商業のエースとして甲子園で大活躍した彼のピッチングを今でもおぼろげながら覚えています。

プロになって大金を稼ぐことを夢見て野球に打ち込む少年を責めることはできません。
責められるとすれば、「グランドに銭【ぜに】は落ちている」などと少年を煽【あお】る大人たちの方です。

一方で、賞賛【しょうさん】とか栄光とか、将来の富とか名声とかに全くつながることのない部活動に、それでも熱心に取り組んでいる少年たちがいます。
例えば、図書部の少年たちです。
先日、大村で開かれた県高校図書専門部の集まりの分科会の1つで話し合われていたテーマは「行ってみたくなる図書館づくり」でした。
どうやったら、より多くの人に図書館に足を運んでもらえるだろうかという、べつにあなたたちが考えることもないだろうというようなものを真剣に討議しているのです。

野口さんと私とでお世話させていただいた「読み聞かせ」の分科会には男子生徒7,8人も参加してくれていました。
「読み聞かせ」が、いくら上手になっても図書館に銭は落ちていません。
ただし、お金は落ちていなくとも、目には見えない素敵なものが図書館にはあふれています。例えば、それは信頼、優しさ、思いやり、愛や平和です。

私は思うのです。彼らが父親となったとき、彼らは、きっと私がやってきたのと同じように、わが子を抱いて絵本を読んでやっているだろうと。
コメント (2)
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